キューバ危機|核戦争寸前に回避!いつなぜ起きた?簡単に解る映画は?

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あわや第三次大戦勃発! 1962 年【キューバ危機】
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【はじめに】

1962 年、キューバ危機…

世界中の人々を震撼させたこの出来事をご存知の方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。

当時のソビエト連邦トップ、フルチショフ元第一書記は後にこう述べています。

「正直なところ、アメリカが戦争を開始しても当時の我々にはアメリカに然るべき攻撃を加えられるだけの用意はなかった。とすると、我々はヨーロッパで戦争を始めることを余儀なくされただろう。そうなったら無論、第三次世界大戦が始まっていたに違いない」

Wikipedia

今回は、歴史上唯一であろう “第三次世界大戦勃発寸前” までいったとされる「キューバ危機」のご紹介です。

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核戦争勃発寸前! までいった「キューバ危機」とは

第二次世界大戦終結後、西側諸国(主にアメリカや西ヨーロッパ)と東側諸国(主に旧ソ連や東ヨーロッパ)は核ミサイルの配備を中心とした軍事バランスを保たせることで世界秩序をかろうじて維持していました。

いわゆる「冷戦」といわれた時代で、お互いに銃口を突き付け睨み合っている状態とでもいいましょうか。

が、この暗黙の協定を破り、アメリカのすぐ下の小国キューバに旧ソ連が弾道ミサイルの配備を進めているのが米偵察機の写真によって確認され、世界中の人々を核戦争勃発の恐怖に落とし入れました。

地図からもわかる通り、キューバとアメリカは近いなんてものではなく、アメリカはどんな手段を使ってでもこれを早急に排除しなくてはなりません。

こうしたキューバにおけるミサイルの発覚から解決に至るまでの主だった 13 日間が一般に「キューバ危機」といわれているものです。

「キューバ危機」はいつなぜ起きた? その背景とは

フィデル・カストロ Wikipedia より

当時のキューバ社会を大きく変えたのが 1959 年 1 月に起きた「キューバ革命」といわれるものです。

親米派だったフルヘンシオ・バティスタ大統領が後の首相フィデル・カストロ(上写真)によって打倒され、以降キューバは社会主義政策・反米政策へと大きく舵を切りました。

カストロは当初「親米派」を装うもアメリカはそうした虚像を見抜いており、時の副大統領ニクソンはアイゼンハワー大統領に「カストロは打倒すべき人物である」との進言までしています。

本性を暴かれたカストロは国内のアメリカ系資産をすべて国有化するなど挑発を繰り返し、アメリカもまた自国のキューバ資産を差し押さえるなどして両国のこれまでの関係は完全に壊れ、あげく、1961 年 1 月にはアメリカより「国交断絶」が通告されるに至りました。

そうした状況の中、コソコソとキューバに接近していったのが旧ソ連だったというわけです。

アメリカやアメリカの同盟国からの資金流入が途絶えたキューバは旧ソ連との関係を水面下で深めていき、重火器類を含むさまざまな物資提供を受けるようになりました。

1962 年の 7 月~ 8 月、旧ソ連やその同盟国の貨物船がやたらとキューバ港に出入りしているのを不審に思ったアメリカが監視を強化、そして 10 月 15 日、U‐2 偵察機が撮影したキューバ上空からの写真を解析した結果弾道ミサイルの存在が明らかとなったのです。

写真:Wikipediaより

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「キューバ危機」に対する米ケネディ大統領の対応

.エクスコム Wikipedia より

ミサイル発見の翌日、写真とともに報告を受けたケネディ大統領はすぐさまホワイトハウス内に対策メンバーを招集し、以降解決する 10 月 28 日までの 13 日間は全員会議漬けの緊迫した日々を過ごすこととなります。

会議は、副大統領、国務長官、国防長官、CIA 長官といった政府の主だったメンバー 15 人程度で構成され(上写真)、のちに「エクスコム(国家安全保障会議執行委員会)と呼ばれるようになりました。

会議では「空爆」を強く進言する軍部トップらや「取引」を進言する他のメンバーなど意見の一致はみられず、ケネディは連日決断に頭を悩ませることとなります。

「最後の最後には空爆も必要」との認識の中、ケネディ大統領はフルチショフとの書簡のやりとりなどを繰り返しながら、フルチショフが “核ミサイルを使用せざるを得ない” といった状況に追い込まれぬよう細心の注意を払いました。

第三次世界大戦を避けたいのはフルチショフも同じでしたが、アメリカの出方次第ではフルチショフに不本意な決断をさせてしまう危険が往々にあったのです。

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「キューバ危機」の結末

フルチショフ(左)とケネディ(右) Wikipedia より

「アメリカに負けた」の結果が許されない旧ソ連にキューバからミサイルを撤去させるには “引き分け” 以上の大義名分が絶対に必要でした。

さまざまな駆け引きがなされたあげくの表立った交換条件は、「アメリカがキューバに侵攻しないこと」でしたが、極秘裏に交わされた本命たる交換条件は「トルコに配備されている NATO 軍のミサイルを撤去すること」だったとされ、これによって旧ソ連もミサイル撤去に同意したとされています。

旧ソ連は翌 11 月にすぐさまキューバのミサイル撤去を完了させ、またアメリカも約束通り翌年 4 月にトルコのミサイル撤去を行い最悪の事態には至らずに済みました。

また、この件を教訓として米ソ両国の首脳がスピーディーに話し合えるよう「ホットライン」が設置されました。

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【最後に】 《フィデロ・カストロ》はそう悪人でもない ⁇

キューバ革命を起こし、旧大統領派を多数処刑したりアメリカ資産を奪ったりとかなりの極悪人を思わせるフィデロ・カストロですが、私腹を肥やして欲望のままに振る舞うようなことなどはまったくなく、ヒトラーやムッソリーニなど悪名高き独裁者とは一線を画す人物だったとされています。

徹底した社会主義政策も愛国心の表れからで、貧しくも明るく大らかなキューバの国民性がそれを如実に物語っているのではないでしょうか。

ちなみにカストロは「親日家」としても有名で、晩年の 2015 年には自宅に日本庭園まで造営したそうです。

何はともあれ、ミサイルなど必要のない誰もが平和に過ごせる世の中になればいいですね。



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「キューバ危機」を映画にみる

【VOD(動画配信サービス)のご案内】

ミサイル発見から事態終結までのハラハラドキドキの 13 日間を描いた有名な映画が、まんまのタイトル「13 デイズ」です。

当時の状況が忠実に再現されており、ご覧になられてない方はぜひオススメいたします。

「13 デイズ」は現状(2021 年 9 月現在)動画配信サービス(VOD)【U-NEXT】にて無料で視聴可能です。




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【参考動画】 映画「13 デイズ」予告(英語版)

〖 Thirteen Days Theatrical Movie Trailer (2001)〗

約 2 分半
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