【工房 スカラベ】 日本で唯一の「デスマスク」工房
日本人には馴染みの薄い「デスマスク」。
もはやご存知でしょうが、「デスマスク」とは主に “石膏” などを用いて “死” の直後に死者の顔から直接型を取って作る 立体的 かつ リアル な “顔型” のことを言います。
日本では “不気味” だの “気持ち悪い” だのとあまり受け入れられない「デスマスク」ですが、それそのものの歴史は非常に古く、記録によれば古代ローマ帝国などではそれに類するものがすでに作られていたそうな。
古来より “名誉の証” として著名人の「デスマスク」が多く作られてきたヨーロッパなどと日本とではその市民権にも大きな隔たりがあり、仮に欧米のごとく日本で「デスマスク」の製作を “業” とすべく立ち上げたとしてもそう簡単には成り立たないはずで、日本中を探し回ったとしてもまずそのような業者は見つからないはず。
…と思っていましたが、ドッコイ!
何と日本で唯一それを “業” となさっている工房が千葉県に存在していました。
その名も…
【工房 スカラベ】
製作者は 彫刻 & 葬儀 のスペシャリスト(参考:文春オンライン)
日本でたった一人、千葉の閑静な住宅街の一画にて「デスマスク」の製作工房を構えてらっしゃるという《権藤 敏男(ごんどう としお)》氏はすでに御年約 70 歳だとか。(2023 年時点)
その昔、彫刻家を夢見られていたという《権藤》氏は美術学校を卒業し、さらには本場イタリアにまで渡って勉強されたそうですが、なかなかに芽は出ず、その後結婚等を機に夢あきらめ家族を養うため某「葬儀社」に入社なさったとのこと。
やがて月日を重ね、昔学んだ彫刻の知識や技術とあわせ、「葬儀社」での “人の死” に向き合った数々の経験をも生かすことができるとして、リタイヤと同時に【工房 スカラベ】を立ち上げるに至ったそうです。
自身のお母様がお亡くなりになられた際、その「デスマスク」を残さず荼毘に付してしまったことに大きく後悔されたのもそのきっかけのひとつとしてあるようです。
…などなど、その他詳しい記事内容をお知りになりたくば、以下 “御本家” 様にてお願い申し上げます。
ちなみに工房名の「スカラベ」とは古代エジプトにおける、再生と復活の象徴たる “太陽” と同視され崇められた “聖なる虫=フンコロガシ” のことで、王の死後はそれを模したものがミイラとともに棺の中に納められました。
てなことから《権藤》氏の “死者に対する敬意” を最大限に表した工房名ではなかろうかと推察されます。
「手」や「足」だけ、さらには自身の「ライフマスク」も!
【工房 スカラベ】では故人の「デスマスク」の他、自分自身の今の顔=「ライフマスク」や、「手」or「足」だけの製作も受け付けており、また、“石膏” だけでなくグレードの高い “ブロンズ” での製作にも対応されています。
初心を忘れぬよう、将来の自分へ向けて “若かりし今の自分” をリアルに残しておく、なんてのもまた悪くないのではないでしょうか。
遠く離れたおじいちゃんやおばあちゃんに “お孫さんの可愛いおてて” をプレゼント、して差し上げても喜ばれるかもしれませんね。
(参考:「石膏使用」&「片手 or 片足」⇨ 即完成・料金 5 万円 ※ 2023 年 4 月時点)
なお、“型取り” は依頼者宅、残りの作業は千葉の工房でなさるとのことですが、道具運搬等の関係から基本千葉から車で通える範囲(主に関東エリア)でのみ注文を受け付けてらっしゃるそうです。
具体的な「受注可能エリア」「料金」「納期」等、詳しくは以下ホームページ内にて記されておりますので、興味を持たれた方は一度覗かれてみてはいかがでしょうか。
【参考動画】
〖工房スカラベ ‐ 手型女の子〗
おまけ
【動画】 特別公開! 夏目漱石のデスマスク
〖生誕の地・新宿 夏目漱石のデスマスク公開〗
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