【はじめに】
雑誌やニュースなどで頻繁に取り上げられ今や知らぬヒトはいないであろうドローン。
縦横無尽に大空を駆け回り、リアリティ溢れる上空からの映像を我々に届けてくれます。
テレビなどでそうした映像を見ながらドローンといったものに少なからず興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。
政府や自治体、各企業などもその秘めたる可能性に大きな期待を寄せているようです。
ドローンの将来性
以前は趣味で飛ばすか、せいぜいメディア用の空撮くらいにしか利用されなかったドローンも、ここ最近ではその優れた機動性、汎用性からあらゆる分野において様々な利用法が見出だされています。
無人施設などの監視警備(写真 1)、火山や災害現場など危険地帯の状況把握(写真 2)、僻地への物資輸送(写真 3)…
あらゆる業種、業態においてその可能性は限りなく未知数だといえましょう。
ドローンを取り巻く問題点
ホビー用の小さなドローンから業務用の大きなドローンまでハード面は出揃った感がありますが、いかんせん追い付いていないのが、ドローンを産業活用するための法整備や操縦者の育成だといわれています。
こうした背景から行政の中枢部では知識人や民間人との「分科会」や「官民協議会」といったものを定期的に開催し、ドローンの産業化早期実現に向け目下急ピッチで計画が進められております。
【参考資料】
- 「今後検討が必要となる制度・ルールの洗い出しに関するご意見」(2018 年 11 月 12 日 国土交通省 航空局)
- 「空の産業革命に向けたロードマップ 2020」(2020 年 7 月 17 日 経済産業省)
上記 2 のロードマップは「2019 年版ロードマップ」 をより具体的に詰めた “決定版” ともいわれており、ざっくりご覧頂くだけでも “国の本気度” のほどが見てとれるでしょう。
ドローンに関する資格等
ドローンを扱うには操縦技術はもちろんですが、航空法などの関連法規を理解した上で、各種手続きなどがスムーズに行えることが重要となってきます。
そうしたことから知識や技術の習得を目的としたドローンスクールがここ最近次々と設立され、自分に合ったスクール選びも難しさが増しているようです。
そうしたスクールでは様々な資格を取得したりもできますが、所有にしろ操縦にしろドローンを扱うために必要な「国家資格」は現在(2020 年 9 月)のところ一切存在しません。
法律上の禁止事項に該当しない限り誰でも飛ばすことが可能です。⇨ 参考記事
※ 現在ある資格は、あくまで「相応の知識や技術を有してますよ ~」と、認定団体が独自の責任において証明してくれるだけの「民間資格」にすぎません。
ただ、2022 年には一部条件下での飛行に免許制が導入されるようですし、今後の法整備しだいでは何らかの国家資格が誕生しても不思議ではないでしょう。
民間資格の国家資格への昇格、または新たに誕生した国家試験の一部免除なども十分にありえる話です。
ドローンの代表的な管理団体(資格認定団体)
国土交通省航空局のホームページ には登録済みの 1000 以上の「講習団体」(養成スクール等)と、それらを管理統轄する 60 以上の「管理団体」がすべて掲載されており、どこの管理団体に属しているかによって資格の名称や特徴は様々です。(※ 2021 年データ)
その中でも以下の4団体発行のものは認知度も高く、行政や社会からの信頼もそれなりに厚いといえそうです。
- 【ドローン検定協会(株)】
- 【DPA(ディーパ)】 「一般社団法人 ドローン操縦士協会」
- 【JUIDA(ジュイダ)】 「一般社団法人 日本 UAS 産業振興協議会」
- 【DJI CAMP】
※ 上記 2 ~ 4 につきましては、所属スクールごとに定められた講習料を支払った上で高度な知識や技能習得を目指すものですので、詳細については割愛いたします。
お知りになりたい方は各公式サイト(上記 2 ~ 4 クリック)等でご覧下さい。
本記事では、テキスト学習のみで気軽に挑戦可能な「ドローン検定」についてのみ解説させて頂きます。
「ドローン検定試験」とは
「ドローン検定試験」とはドローン検定協会(株)により実施される「無人航空従事者試験」のことで、1 級 ~ 4 級までの筆記試験が全国各地の試験会場で同時に行われます。
2 級 ~4 級の試験は全奇数月の年 6 回、1 級試験のみ、1 月・5 月・9 月、の年 3 回実施され、どの級も四者択一式 50 問の試験で、40 問以上の正解で合格(合格率は全て 7 割程度)だそうです。
合格者には、それぞれの等級に応じたライセンスカード(写真 1)が送付され、1 級 2 級の合格者については更にピンバッジ(写真 2)も付与されます。
「ドローン検定試験」1 級から 4 級までの受験料や受験資格 等
【1 級】
- 受験料 18300 円(税込)
- 受験資格 ドローン検定 2 級合格者
- 必要とされる知識 無人航空機を操縦・管理・設計することに必要な専門的知識
【2 級】
- 受験料 12200 円(税込)
- 受験資格 ドローン検定 3 級合格者
- 必要とされる知識 無人航空機を操縦・管理することに必要な、機体特性及び関連技術に関する十分な知識と、気象学や関連法規及びリスク管理に関する知識
【3 級】
- 受験料 5600 円(税込)
- 受験資格 特になし
- 必要とされる知識 無人航空機の機体特性や基礎技術、無線、関連法規に関する知識
【4 級】
- 受験料 3000 円(税込)
- 受験資格 特になし
- 必要とされる知識 無人航空機を安全に運用することに必要な関連法規等基礎知識
※ 受験料等各種情報は執筆時のものです。
「ドローン検定試験」の受験対策
「ドローン検定公式サイト」にて販売されている公式テキスト(2000 円程度)をしっかり読み込むのが王道のようです。
初心者は 3 級か 4 級しか受験できませんので、「3 級 4 級対応標準テキスト」を一冊購入するのがよろしいでしょう。
細かな受験要綱や等級ごとの細かな出題傾向なども上記公式サイトにて記されております。
ドローン教習所なら操縦資格も GET 可能 !
ドローン検定(株)は自動車教習所との提携による「ドローン教習所」も全国各地に展開させており、ドローン検定 3 級の取得に加え、「ドローン操縦士」の技能養成や認定試験も行われています。
ただ、学校によってバラつきはあるものの、10 万円程度の予算はみておいた方がいいかもしれません。
最後に
現状ドローンに関する資格はすべてステイタス性のほとんどない民間のライセンスです。
ただ、現在の産業構造や国が発表した今後の指針などを併せ考えると、あらゆる分野においてドローンの知識やスキルが求められる時代はもうすぐそこでしょう。
そうした将来性の高さを見据えた上でのドローン検定…
今はお飾り程度の資格でも取得しておけば近い将来価値あるライセンスになることは間違いありません。
自己啓発のひとつとしても挑戦してみる価値は高いのではないでしょうか。
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