【はじめに】
もうそれなりにいい歳になる自分ですが、いくつになってもそれまで思い込んでいたことが全くの勘違いであったことを思い知らされ、恥ずかしく思うことが多々あります。
つい最近も、地元兵庫県産の牛肉、「淡路牛(あわじぎゅう)」と「淡路ビーフ」は “別モノ” だという事実を知って絶句。
なんせ、
『淡路牛ってのは松坂牛に負けず劣らずウマいんや!』
てなことを、これまでの人生において何度も知人友人に言いまくってきたのですから…
おそらくはこれを読んでいる方も、単なる呼び方の問題だけで、「淡路牛」と「淡路ビーフ」は同じものだと思っている方がほとんどではないでしょうか?
ところがどっこい、これらは一緒にしてはいけないあまりにも大きな違いがあったのです。
というか、定義からすれば、「淡路ビーフ」は「淡路牛」のお仲間ではあるが、「淡路ビーフ」=「淡路牛」ではない、と言った方が正しいのかもしれません。
てなわけで今回は、これらの違いなども含めた「淡路ビーフ」のご紹介とあわせ、“格付” や “等級” の決まり方など牛肉の 基本知識・豆知識 なども詳しくご紹介。
『ゴクリ…』ときた人のため簡単に取り寄せれるようにも計らっておきましょう!(笑)
一度は味わいたい兵庫県の誇る絶品【淡路ビーフ】
特許庁の〖地域団体商標〗に登録され、また、安心・安全 な食品として〖兵庫推奨ブランド〗にも認証され、しっかり国と県の双方からお墨付きを得ている「淡路ビーフ」。
で、その「淡路ビーフ」を語るにあたって、まず最低限知っておいて頂きたいのが…
❶〚「但馬牛(たじまうし)」と「但馬牛(たじまぎゅう)」の違い〛
❷〚「淡路ビーフ」と「淡路牛」の違い〛
❸〚15 段階からなる牛肉の “格付”(総合ランキング)〛
❹〚12 段階からなる牛肉の【霜降り度合い】(BMS)〛
…の4点。
てなわけで、まずはそれらを分かりやすくご説明いたしましょう!
『もう知っとるわい‼』
…てな方は、上の[目次]より見たい箇所までぶっ飛んで下さい。(笑)
「但馬牛(たじまうし)」と「但馬牛(たじまぎゅう)」は何が違う?
簡単に言えば、「但馬牛(たじまうし)」とは “牛” そのものの種別のことで、兵庫県産の黒毛和牛が一般にこう呼ばれます。(上写真)
兵庫県北部の但馬地方と南部の淡路島で主に生産されてきたそうですが、今ではその半数以上が淡路島産だとか。
そして、「但馬牛(たじまぎゅう)」とは、上「但馬牛(たじまうし)」からとれる “牛肉” の中でも一定基準以上の品質が認められたもののみ冠することのできるブランド名。
つまりは「但馬牛(たじまうし)」からとれる牛肉のすべてが「但馬牛(たじまぎゅう)」と呼ばれるわけではなく、この違いを頭に入れておかなければ後々混乱してしまうかもしれません。
で、その「但馬牛(たじまぎゅう)」の中でもさらなる厳しい基準をクリアできたものだけが、世界に名だたる最高級ブランド、「神戸肉」or「神戸牛」or「神戸ビーフ」or「KOBE BEEF」を名乗ることができます。
なお、「神戸肉」や「神戸ビーフ」を名乗ることのできる牛肉は、名乗りたければ「但馬牛(たじまぎゅう)」を名乗っても別段問題はないようですが、やはり多くは最上級グレードの前者を使用しているそうです。
そのあたり、詳しくは以下御本家(神戸肉流通推進協議会)の HP にて。
そして本記事の本命「淡路ビーフ」はと言うと、「但馬牛(たじまうし)」の中でも “淡路島で生まれて兵庫県内で育った” ことを大前提とし、かつ、その他多くの厳しい条件をすべてパスすることによってのみ初めて称することのできるブランド名で、その狭き門をくぐれるのは淡路島に1万 5000 頭近くいる牛の中でもせいぜい年 200 頭程度なんだとか。
もちろん「但馬牛」・「神戸肉」にしろ、「淡路ビーフ」にしろ、自己判断で勝手に名乗るなどはできず、公に認められたそれぞれの審査認定団体(⇩)に認定されることによって初めて名乗ることが許されます。
【審査認定団体】
ちなみに、和牛であろうがホルスタインであろうが、“淡路島で生まれた牛”、あるいは “淡路島で育った期間がどこよりも長い牛”、はすべてひっくるめて「淡路牛」と呼ばれるそうで、「淡路牛」=「旨い牛肉」とは限らない点「淡路ビーフ」とのちがいに注意が必要です。
【参考資料】(「淡路ビーフ」と「淡路牛」の違い)
で、日本全国どこの牛肉であれ、牛肉を評価する際の指標として最もよく知られているのが、“総合ランキング” たる[A5]➤[C1]からなる “格付”(下【画像1】参照)と、〔№ 12〕➤〔№1〕からなる 【霜降り度合い】(下【画像2】参照)を示す個別のランキング。
「但馬牛(たじまぎゅう)」・「神戸肉」・「淡路ビーフ」ともども “格付” の冒頭アルファベット部分(【歩留等級(ぶどまりとうきゅう)】=後述)は必ず[A]か[B]でなければならず、それでいて、「神戸肉」や「神戸ビーフ」を名乗るためには 【霜降り度合い】が〔№6〕以上、「淡路ビーフ」を名乗るためには【霜降り度合い】が〔№4〕以上、であることが求められます。
…とか言われてもほとんどの方はピンとこないと思いますので、まずは前者、「牛肉の “格付”」についてを簡単にご説明いたしましょう。
「牛肉の “格付” 」(総合ランキング)はどのようにして決まる?
まず初めに申し上げておきますが、みなさんよくご存じ、牛肉の “格付” の最高峰[A5]は、イコール「最もおいしい牛肉」って意味ではありません。
なぜなら、この “格付” は、主に“業者間で売買する際の目安” として使われているもので、消費者に対し “味” を保証するものではないからです。
“それなりに旨い” ってのは間違いないでしょうが、“旨さの目安” にはなぜならないのかというそのワケは、“格付” を決定するにあたって実施される個々の審査に、“人間の舌による味見” ってのがどこにもないからなのです。
下におわす「近江牛」に精通しているらしきオジサンもこうおっしゃっております。
動画【近江牛チャンネル】より
では個々の審査ってのはどんなものがあって、どこがどんな審査をしているのでしょうか。
肉の “格付” を実施しているのは〖(社)日本食肉格付協会〗なる機関で、①【歩留等級(ぶどまりとうきゅう)】と ②【肉質等級】のそれぞれにつき、“見た目” や “事実上の数値” を、単純にひな型に照らし合わせるだけという、いたってお役所的な審査でそれは行われているそうです。
① の【歩留等級】は上から[ A ➤ B ➤ C ]の3段階、
② の【肉質等級】は上から[5➤4➤3➤2➤1]の5段階、
…で評価され、① と ② を合体させることによって、[A5]➤[C1]の計 15 段階からなる “格付” のどれかに決定するってわけです。
【歩留等級(ぶどまりとうきゅう)】[ A ➤ B ➤ C ]ってどういう意味?
牛肉の “格付” のアルファベット部分、例えば[A5]でしたら “A” の部分が【歩留等級(ぶどまりとうきゅう」】と言われるものなんですが、これは1頭の牛からとれる “食肉” の割合、つまりはどれだけ無駄なく食べれる部分がとれるかってのを、[A=良い / B=標準 / C=悪い]の3段階で評価したもので、とりあえず「但馬牛(たじまぎゅう)」「神戸肉」「淡路ビーフ」ともどもその認定を得るためには[A]か[B]でないといけません。
これは〖(社)日本食肉格付協会〗の格付員が食肉卸売市場などで、定められた計測・計算方法を用いてジャッジするそうです。
【参考動画】(街の小さなお肉屋さん)
〖【牛肉の部位丸わかり】肉屋の店主が実際に部位を並べて解説します〗
【肉質等級】[5➤4➤3➤2➤1]はどう決まる?
“格付” の右側の数字がそうですが、【肉質等級】を決めるにあたっては、4項目…
①【霜降り度合い】(BMS)
②【肉の色つや】(BCS)
③【肉の締まり&キメ】
④【脂肪の色つや&質】(BFS)
…についてを、それぞれ5段階[5➤4➤3➤2➤1]で評価し、その中の “一番低い数値” がそのまま【肉質等級=“格付”】の数値” として用いられます。
つまり、いくら霜降り抜群の牛肉でも、赤み部分や脂肪の色つやが悪ければ【肉質等級=“格付”】の数値は[1]だの[2]だのになるってことです。
で、上 ①~④ の中でも、やはり誰もが最も気にするのは ① の【霜降り度合い】(BMS)ではないでしょうか。
てなわけで、【霜降り度合い】の5段階評価がどのようにして決められるのか、についてのみ以下簡単にご説明しておきましょう。
【霜降り度合い】(BMS)の評価[5➤1]はこうして決まる!
神戸肉流通推進協議会 HP より
「淡路ビーフ」の認定条件(審査基準)ともされている〔№4〕以上の目安となる写真が上のもの。
「但馬牛」では〔№2〕以上、「神戸肉」では〔№6〕以上が求められるのは前述の通り。
で、このうち〔№8〕以上であれば5段階評価で[5] 、
〔№5〕~〔№7〕であれば5段階評価で[4]、
〔№4〕であれば5段階評価で[3]、
といった感じで判定が下されます。
② の【肉の色つや】は、新鮮なほど光沢のある鮮やかな鮭色だとされ、④ の【脂肪の色つや】は、新鮮なほどより白く光沢も美しいとされています。
等級の決め方は基本【霜降り度合い】と同じような感じ。
参考までに、① ② ④ の目安とされる〖農林水産省 HP〗掲載の基準表も以下に貼っておきます。
【参考資料】 農林水産省 牛肉の等級決定基準表(BMS/BCS/BFS)
①【霜降り度合い】(BMS)
②【肉の色つや】(BCS)
④【脂肪の色つや&質】(BFS)
最高品質のブランド和牛【淡路ビーフ】誕生の背景
「但馬牛(たじまぎゅう)」の “但馬” も「神戸肉」の “神戸” も高品質な牛肉とセットで知名度も抜群。
にもかかわらず、それらの素牛(もとうし)たる「但馬牛(たじまうし)」を最も多く産出している “淡路島” は、その名がどこにも冠されてこなかったことから、長年にわたり全くと言っていいほど日の当たらぬ存在でした。
そこで 1986 年、
『自分たちだけの力で最高品質の牛肉を生み出し、“淡路島” をもっとたくさんの人に知ってもらおうじゃないか!』
…と関係者一同タッグを組み、〚淡路ビーフブランド化推進協議会〛を結成させたのが「淡路ビーフ」誕生のそもそもの始まりだとされています。
有名な “日本三大和牛” たる「神戸肉」「松阪牛」「近江牛」も、その素牛(もとうし)は「但馬牛(たじまうし)」。
つまり “日本三大和牛” とされるものの多くは淡路島で生まれた牛であって、それらと同じ環境下で育ち、なおかつ、より厳しい審査をもパスしているというそのことからも、「淡路ビーフ」がいかに高品質な牛肉かってことがよく分かります。
“日本三大和牛” として「神戸肉」と「松坂牛」は手堅いですが、3番手の椅子には「近江牛」か「米沢牛」かの熾烈な争いが長年に渡り続けられているようです。
関西びいきから自分はついつい「近江牛」を挙げてしまいましたが…
ちなみに、岐阜県「飛騨牛」・岩手県「前沢牛」・宮城県「仙台牛」・佐賀県「佐賀牛」など、日本のブランド和牛の8割以上は、交配など何らかの形で「但馬牛(たじまうし)」の “血” が混ざっているとされています。
…が、調べたところ、どうやら「米沢牛」はそうではなさそうです。
「淡路ビーフ」の特徴や認定条件(審査基準)は?
「淡路ビーフ」の特徴として言われているのは概ね以下のようなもの。
(※ リンクのジャンプ先は全て「Wikipedia」です)
・人肌で溶ける融点の低いキメ細かなサシ(霜降り)
・肉本来の甘み&香り豊かな柔らかな赤身と、それらとバランスのとれた上質のサシ(霜降り)
・美容や健康に良いとされる〖オレイン酸〗や〖イノシン酸〗を多く含む。
(※ 全国規模の品評会にて【脂肪の質賞】を受賞し一躍有名に)
・アンチエイジング効果で知られる〖コエンザイムQ10〗も含む
・熱を加えた時に「桃」や「ココナッツ」に似た〖ラクトン〗と呼ばれる甘い和牛香が出る
余談ながら、「桃」に含まれる香り成分「ラクトンC11」なるものは、ロート製薬の研究によれば、若い女性特有の体臭を構成しているものなんだそうな。
若い女性の体臭にのみ含まれ、若い女性特有の良い匂いの原因とのこと。
濃度は 10 代後半をピークに減少し、30 代以降は大幅に減少することが明らかとなっているんだそうです。
が、気になるあのヒトをクンクンするのはやめた方がいいと思います。
その他詳しい特徴や認定条件(審査基準)など、
『「淡路ビーフ」のことをもっとよく知りたい!』
って方には以下記事やその下の動画がオススメです。
〚淡路畜産農業協同組合連合会 HP 内〛
動画 でさらに詳しく「淡路ビーフ」
淡路ビーフ推進協議会CMと淡路ビーフ物語
【6分間でわかる】淡路島の『淡路ビーフ』‼
「淡路ビーフ」が買えるお店&食べれるお店を探そう!
『「淡路ビーフ」ってどこで買えるの?』
って方や、
『「淡路ビーフ」のランチが食べたい!』
『「淡路ビーフ」のステーキが食べたい!』
『「淡路ビーフ」を使ったメニューや値段を知りたい!』
など、「淡路ビーフ」の取扱店等を詳しくお知りになりたい方は、下に設置したボタン(【淡路ビーフが買える店】/【淡路ビーフが食べれる店】)から各店舗を閲覧すれば、掲載されている HP などとも併せ、何かと情報が得られるかと思います。
ちなみに現在(本記事執筆時)「Google 検索」で人気の高い店舗は、〚淡路ビーフとうげ〛・〚淡路ビーフ新谷〛・〚淡路ビーフ大河内〛・〚淡路ビーフこまつ〛、などなどのようで、迷われている方は、まずこれらを覗かれてみるのもいいかもしれません。
(店舗場所は下マップ内の赤文字)
HP 内で「オンラインショップ」を展開している店舗もあり、希少な「淡路ビーフ」を通販で自宅に居ながらにして味わうことも可能です。
淡路畜産農業協同組合連合会 HP より
〚淡路畜産農業協同組合連合会 HP 内〛
〚淡路畜産農業協同組合連合会 HP 内〛
“幻” の牛肉「淡路ビーフ」を【ふるさと納税】で超お得に GET!
うまく立ち回ればアレもコレもを実質 2000 円ポッキリで手に入れることができるという、今や大人気の【ふるさと納税】。
兵庫県 “淡路島” を代表する幻の逸品「淡路ビーフ」も、“淡路市” や “南あわじ市” などでは返礼品の一つとして名を連ねています。
てなわけで、「ふるさと納税 / 淡路ビーフ」の取り扱いをしている【楽天】、及び、主だった “ふるさと納税専門サイト” を以下にご案内しておきました。
豊富なラインナップなので迷いに迷うかもしれませんが、最高品質&希少な「淡路ビーフ」、この機会に一度ご賞味されてみてはいかがでしょうか?
なお、【ふるさと納税】の仕組みや申し込み方法がイマイチよく分からないって方は以下サイトがご便利です。
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