【はじめに】
2023 年 7 月 30 日、北海道釧路(くしろ)町のとある牧草地で 1 頭の大きなヒグマが 1 人の役場職員によって射殺されました。
同じ場所で複数回目撃され、ヒトへの警戒心も薄そうなことから “危険熊” と判断されての結果です。
仕留められた熊は即座に解体業者へと引き渡され、通常通り各部位ごとに肉の塊へと姿を変え、地元や都会のジビエ料理専門店等へと売りさばかれました。
が、なんと射殺後3週間近くも経過してからその肉が “ヤツ” の肉だったことが判明。
東京の某ジビエ料理店の店主曰く、仕入れた熊肉が “ヤツ” の肉だと知らされたその瞬間、ちょうどその肉を焼いている真っ最中だった、とか。(下に動画あり)
“ヤツ” とは、約 4 年間、北海道東部の標茶(しべちゃ)町や厚岸(あっけし)町で次から次へと牧牛を襲いまくり、地元やメディア等を存分に賑わせてきた大型の雄ヒグマ、「OSO18(オソじゅうはち)」のことです。
痕跡をほとんど残さず、なかなかその姿を捉えられぬことから「忍者熊」との異名も。
…にもかかわらず、何とこれまで一切被害報告のなかった釧路の地にて “寝耳に水” の急展開を見せ、事件は突如として終結に。
4 年間もの大騒ぎは一体なんだったんだ???
てなわけで今回は、この “モサドエージェント” さながらのコードネームを持つ、北海道東部地域における牧牛連続殺傷犯「OSO18」 の実像やその末路、& 事件の経緯や全容等を詳しくご紹介。
「OSO18」なるコードネームは、最初の事件現場、標茶町「オソツベツ」地区の頭の2文字 “オソ(OSO)” と、現場に残されていた足跡(前足)の幅 18㎝ を合体させてそう命名されたものですが、のちの発表では足幅は 16㎝ ~ 17㎝ 程度であろう、と修正がなされています。
が、駆除後の実測ではなんと 20㎝ あったとか…
なお、「OSO」とはスペイン語で「熊」の意味だそうですが、これは単なる偶然の一致だそうです。
『高い時で乳牛 1 頭あたり 100 万円位の値が付くため、救済金で支払われる約 20 万円を差し引いた分の約 80 万円が赤字になります』
とのことなので、乳牛を何頭も殺された農家さんの痛手はかなりのものです。
【参考動画】 東スポチャンネル
〖【OSO18】牛 66 頭襲撃のヒグマ「OSO18」を食べてみた! 駆除後に人形町でジビエ料理になっていた!〗
忍者熊「OSO18」の概要
被害拡大を食い止めるため、行政により対策本部が設けられ、何度も作戦会議が繰り返され、猛者ぞろいのハンターチームまで組織されて厳重なる警戒網が敷かれていましたが、それをあざ笑うかのようにどんなワナをも巧みにすり抜け、姿を直接目撃した者はほぼなく無人カメラに捉えられたのもほんの数枚、という恐るべし忍者熊「OSO18」。
(「OSO18」だと気付いてないだけで実際は多くの人に目撃されているのでは、との見方も)
足跡など、通常は残ってて然るべき痕跡もほとんど残さず、ヒグマ特有のエサへの執着(普通はしつこく食べ続けたり、食べ残しがあれば再び現場へ戻ってくる)もほぼ見せず、プロのハンター達を何年ものあいだ翻弄させ続けてきた、まさに “忍者”。
猟銃使用の禁止時間帯や禁猟区域などを把握しているかのような出没をも繰り返していたことから、『「鳥獣保護法」すらも熟知しているのでは』、などとも言われ不気味がられていました。
が、前述のごとく、事件は 2023 年 7 月 30 日に釧路町の牧草地にて急展開。
“人に姿を見せない” と騒がれた忍者熊の最期は、皮肉にも “人に何度も姿を見せた” ことが原因で、しかも、“普通の役場職員(ハンター有資格者)” の方に “普通のヒグマ” だと思われ “普通に駆除” されたという、何だか拍子抜けとも思える突然の幕引きを迎えたのでした。
「OSO18」だと判明したのは、
『まさかとは思ったけど、そこそこ大きかったことから後で何となく気になって念のため鑑定に回した』
ことによるたまたまの結果なんだとか。
つまりは、この役場職員の方が “何となく気に” ならなかったなら、あわや “迷宮入り” になっていたとこで、周辺地域の人々はこの後何年にも渡って忍者熊に怯えながらの生活を余儀なくされたに違いありません。
釧路町長さん、冬のボーナスは弾んであげて下さい。
「OSO18」の外見的特徴
『“スゴい熊” といったイメージが持たれていますが、特別巨大でも賢いわけでもない、ごく普通の雄ヒグマですよ』
と、地元対策班のリーダーの方がいつぞやどこかの報道番組でおっしゃってましたが、もしこの “イメージ” と “実物” に大きなギャップがあったとしたならば、情報提供等の弊害になっていた可能性は大いに考えられます。
ただ、以下混乱を生じさせるような記事等もあって、“普通のヒグマ” だったのかどうなのかはかなり玉虫色です。
「OSO18」が駆除されたのは 7 月末。
その時点で 330 キロもあったとなると、冬眠前の 12 月ごろには 500 キロ近くに達していた可能性がある。
それほど巨大なオスのヒグマだった。PRESIDENT Online
2022 年 7 月の襲撃例では、殺した牛の内臓をその場で食べ、翌朝に約 100m 離れた沢まで引きずって行って肉も食べるなど、餌に執着するヒグマならではの習性も見てとれる一方、2023 年では牛のロースのみを食べる偏食パターンも見せ、混乱を生んでいた。
また、罠を回避して餌を摂食することから高度な知能を持つこと、食べ残した肉を放置することから殺戮を楽しんでいることも噂された。Wikipedia
駆除前の推定値 等
提供:標茶町
駆除後の実測値 等
- 年齢不明
- 体長 210 ㎝(実測値)
- 体重 330 ㎏(推定値)
- 前足幅 20 ㎝(実測値)
- 顔に 4 か所の傷
- 手足に皮膚病
- やせていた
釧路総合振興局会見にて
※ “年齢不明” なのは年齢を割り出すために必要とされる下あごの歯がすでに失われていたため。
※ “体重が推定値” なのは計測された時点ですでに内臓が取り除かれていたため。
【参考動画】 HTB 北海道ニュース
即完売した「OSO18」の通販肉
なお、解体された「OSO18」の肉は各料理店等へ卸された他、地元の商店より【oso18 忍者ヒグマ】なる商品名で各部位ごとにインターネット販売もなされたようですが、あっという間に売切れとなったそうです。(写真参照)
ちなみに、
『熊の肉にはトリヒナという寄生虫が存在し、感染すると死に至るケースもある。熊肉の調理には注意が必要だ』
とおっしゃっている方(ノンフィクション作家の《中山 茂大》氏)もおられますので、“熊肉” に興味を持たれている方は十分にご注意あれ。
【超巨大ヒグマ 参考写真】
「OSO18」が、もし冬眠前に 500㎏ 近くもあったとしたらこれよりもっとデカかったことに…
山中でいきなり出くわしたらと考えるとゾッとします。
とりあえず “鹿” の駆除を目的として一人で出向き、たまたまこのような結果になってしまったんだとか。
何発発砲したのかは不明ですが、一発が首に、二発が頭部に命中したとのことです。
事件発生から結末までの大まかな流れ
❶ 2019 年 7 月 16 日、北海道標茶町での被害を皮切りに近辺で次から次へと乳牛が襲われる。
「OSO18」に襲われた乳牛一例(NHK より)
事件開始から事件終了直前の 2023 年 6 月までに襲われた牛は両町あわせて計 66 頭で、うち 32 頭が死亡。
❷ 行政によって対策本部が設けられ、リーダー 1 名・ハンター 11 名からなる計 12 名の機動部隊が結成されるも、一向に 捕獲・駆除 に至らず被害は拡大の一途をたどる。
NHK より
❸ 2023 年 7 月 28 日、北海道釧路町の牧草地で 1 頭のヒグマ(「OSO18」かどうかは不明)が役場職員(猟銃免許あり)によって目撃される。
❹ 2023 年 7 月 30 日、単独で “鹿” の駆除に出向いた同役場職員が、一昨日と近い場所で再びヒグマを目撃し、前回目撃したヒグマと同一である可能性が高く、また、人への警戒心も感じられないことから “駆除要” と判断し、午前 5 時ごろ猟銃により射殺。
❺ 当該ヒグマが「OSO18」とは考えもしなかった同役場職員は、即日解体業者へと引き渡す。
❻ 解体業者より “食肉” として各方面へと売りさばかれる。
HTB NEWS より
❼ 後日、射殺した役場職員が、『あの熊、結構大きかったし、まさかオソでは…』とふと気になったことから、釧路町→標茶町を通じて残されていた体毛を DNA 鑑定に。
❽ 2023 年 8 月 18 日、DNA 鑑定の結果、体毛が「OSO18」のものだと判明し標茶町に伝えられる。
❾ 2023 年 8 月 21 日、鑑定結果が標茶町より釧路町へと知らされる。
【参考動画】 TBS NEWS DIG
〖異名は “忍者グマ” 乳牛 66 頭を襲ったヒグマ「OSO18」を駆除 捕獲に苦戦してきたワケは?〗
最後に
NHK より
いつぞや北海道厚岸町の森でヒグマに襲われ、瀕死の重傷を負いながらも九死に一生を得た男性の方が NHK の〖某番組〗にてその脅威を以下のように述べています。
・ヒグマが襲ってくるときは本当に一瞬です
・足音が聞こえた時にはもうかじられていた
・足の半分がえぐられた
・粉砕骨折で骨がバラバラになった
・水道の蛇口をひねった時の水と同じくらいの血が頭から噴き出した
・手足の切断を覚悟するよう主治医に言われた
・あと数センチずれていたら頸動脈であの世行きだった
・鈴やラジオなど鳴り物対策してても襲ってくる熊は関係なく襲ってくる
・何度も練習してたけど腰につけた熊スプレーなど全く間に合わない
彼は一介の旅行者などではない、長年地元の山で林業に携わってこられた方で、当然にヒグマとの遭遇には常日頃から用心しており、“鳴り物” をぶら下げたり “熊よけスプレー” を携帯するなどして最大限の警戒を怠ってはいませんでした。
が、それでも熊に襲われ、そのスピードとパワーには何をどうすることもできなかったのです。
年々住めるエリアや木の実などが減り続け、熊も生きるために必死です。
日本最大の獣害事件、【三毛別羆(さんけべつひぐま)事件】を凌駕する悲惨な事件が起こる日もそう遠くはないのかもしれません。
【参考動画】
〖【初証言】肋骨 6 本縫合 100 針 札幌の住宅街でヒグマに襲われた男性語る「恐怖の瞬間」〗
【オススメ書籍】 吉村 昭 著 「羆嵐」
【羆嵐】内容紹介(Amazon より)
村を阿鼻叫喚のどん底に陥れた凶暴な肉食獣!
実際の事件を基に、その恐怖を再現する。
北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻込んだ一頭の羆(ひぐま)の出現!
日本獣害史上最大の惨事は大正 4 年 12 月に起った。冬眠の時期を逸した羆が、わずか 2 日間に 6 人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音……。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長編。
【本文より】
渡道して以来かれらは、多くの先住者たちから羆(ひぐま)が内地の熊=ツキノワグマとは異った野生動物であることを知らされていた。内地の熊が最大のものでも三十貫(110 キロ余)程度であるのに、羆は百貫を越えるものすらある。また内地の熊が木の実などの植物を常食としているのとは異って、羆は肉食獣でもある。その力はきわめて強大で、牛馬の頸骨を一撃でたたき折り内臓、骨まで食べつくす。むろん人間も、羆にとっては恰好の餌にすぎないという。
巨大人喰い熊を映画に見る
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おまけ動画
〖【ヒグマ】史上最多の被害…都市の“住宅街出没”の真相とは『every.特集』〗
〖【ヒグマ】約 300kg の大物を捕獲。追跡から捕獲までを撮影【有害鳥獣駆除】〗
(発砲場面:13 分 55 秒付近)
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