【はじめに】
フリーメイソン…
映画などにもたびたび登場し、詳しくなくても名前だけは知っている方も多いでしょう。
そして、その “詳しくない方” のほとんどはフリーメイソンを “裏で世界を牛耳る闇の組織” といった気味の悪い秘密結社だと思っているのではないでしょうか。
ワタクシ自身も頭のどこかではそのように思っていたわけですが、いろいろ調べてみると、どうやらそうした思い込みと実態は大きくかけ離れているようです。
とはいえ、起源が諸説存在していたり、儀式的なことなど公開されない部分も多く、謎めいた組織であることにはちがいありません。
たまたま「高須クリニック」の院長、高須克弥氏が現役メイソン(しかも幹部)だと知り、個人的にはどうしても高須院長が “世界を牛耳る男” になど見えず、ちょっと調べてみようってことになりました。
院長スンマセン !
写真:高須克弥氏(Twitter より)
フリーメイソン(フリーメイソンリー)とは ⦅概要⦆
そもそも “フリーメイソン” なるものを組織名と思っていた時点から間違いで、これは会員個人個人のことを意味する言葉らしく、組織名として正しいのは “フリーメイソンリー”(日本では “フリーメイスン” や “フリーメイスンリー” とも表記される)だそうです。
ミステリアスな存在としてメディアなどでも何かと取り上げられる組織ですが、長きに渡って情報公開を拒み続けてきたことや、怪しげな秘密の儀式などから、いつしか危険集団的なマイナスイメージだけが一方的に膨らんでしまったのではないでしょうか。
その反省もあってか、ベールに包まれていた部分も今では可能な限りオープンにし、入会の条件や方法まですらホームページなどで公開されています。
フリーメイソンリーって何の組織 ?
「フリーメイソン 日本グランドロッジ」の HP によると、
「フリーメイソンリーとは何ですか?」
に対する答えとして、
「比喩で覆われ、象徴で表される、一つの独特な道徳体系」
と記しています。
さっぱりわからん。
てことで、さらに具体的に、
「会員の自己成長を求め、またそのことを通して社会の向上を求める友愛組織」
とも記しています。
う~ん… とりあえず…
「自分自身を磨きながら良き社会づくりを目指す固い絆で結ばれた仲間」
みたいな意味なのでしょう。
“社会の向上” のために何をしてるのかってのがポイントですが、“邪悪な組織” でないことだけは確かなようです。
フリーメイソンリーの起源
諸説あるようですが、1717 年にイングランドに「グランドロッジ」(後述)なるものが設立されたのが組織化の始まりとされています。
ロンドンに元からあった 4 つのロッジ(集会所)のメンバーが、ある酒場で年中行事についての話し合いを行うなか設立されたのだとか。
ただ、その他多数のロッジは “監督組織” たる「グランドロッジ」といったものを認めたがらず、当初は統制の行き届かない不安定なスタートを切ったようです。
フリーメーソンリーの組織形態
まずは、全世界のフリーメイソン、フリーメイソンリーを統率する総本山的な組織は存在しません。
元は個別バラバラに存在してたロッジでしたが、“自国内” のそれらを管理・統制する「グランドロッジ」がイングランドで結成され(上述)、その後各国に同様の動きが波及していき今に至る、といった感じでしょうか。
様々な紆余曲折を経て、今では基本 “1 国” を単位として、国内のロッジをひとつのグランドロッジが監督する、といった形態に落ち着いたようです。
フリーメイソンリーの活動内容
国やロッジごとに特色はあるようですが、基本は「自由・平等・友愛・寛容・人道」の 5 つの理念のもと、社会支援や慈善事業をメインとして活動しているようです。
日本グランドロッジが公開しているチャリティー活動としては、一般参加も可能な「こども祭り」や「バーベキュー」、その他 「昼食会」「野外活動」「遠足」「チャリティーコンサート」などなど。
社会福祉として「孤児院」「レイプ被害者」「眼球バンク」「ホームレス」などへの支援活動なんかも行っているそうです。
会員同士の親睦を深め会う “飲み食い” も活動の一環とされ、初期のロッジはパブや居酒屋なども多かったとか。
フリーメイソンになるためには(入会について)
入会等に関しても秘密主義を貫いてきたせいか、フリーメイソン界も “少子高齢化” が進んでいるようです。
そうした背景もあってか、最近ではホームページで入会の条件や手続きなどを公開し、積極的に会員を募ってるようにすら見えます。
とはいえ、フリーメイソンになるための高いハードルに変わりはないでしょうが…
とりあえず、フリーメイソンやフリーメイソンリーによる勧誘行為は一切禁じられているため、“スカウトマン” などは存在しません。
入会するには自分自身の意思により行動する必要があります。
余談ながら、あの名作曲家、《ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト》もフリーメイソンだったとか。
フリーメイソンリーへの入会条件
① 成年の男子であること
② 身体に障害のないこと
③ 真摯な信仰心を持ち合わせていること
④ 定職と一定の収入があること
などなど。
その他、健全な心や高い道徳的品性を持ち合わせ、世間からの高い評判なども必要とされるとかで、これらについて念入りに調査されるものと思われます。
※ 上記はあくまで一般的なもので、国やロッジによって入会条件に差異があるようです。
フリーメイソンリーへの入会申請の方法
日本グランドロッジの HP によれば、
① 入会を希望するロッジのセクレタリー(秘書)より「請願書」を入手
② 当該ロッジの会員 2 名に保証人となってもらい請願書を提出
以上、入会手続きとしてはただこれだけのようです。
…が、お分かりのように「2 名の保証人」てのがそう簡単にはいかないでしょう。
HP には、
「フリーメイソンの知り合いがいなければ日本グランドロッジまでご連絡を」
とも記されていますが、2 名の保証人を得る段階までどう進むのかは不明。
日本グランドロッジ
フリーメイソンリー入会までとその後
2 名の保証人を GET でき、希望ロッジに請願書を提出できればようやく本格的審査の始まりです。
その後の流れは以下の通り。
① ロッジの会員の何人かと個人的に面談
② 面談の結果がマスター(ロッジ責任者)に報告される
③ マスターのお眼鏡にかなえばロッジ内で無記名の投票が行われる
④ 投票により入会が認められれば入会儀式の日程が調整される
⑤ 儀式完了により晴れて会員となる
…と、ま~こんな感じのようで、請願書の提出から入会が認められるまでは平均して 2 ~ 3 カ月だそうです。
最後の「儀式」は覚えることが多くかなり大変だとか…
ロッジにより多少ちがいはあるようですが、入会費は 45000 円、年会費は 8000 円程度だそうで、そう高いものではありません。
ちなみに、入会と同時に与えられる階級が「エンタードアプレンティス」(徒弟)で、その後時間と学習が進めば「フェロークラフト」(職人)や「マスターメイソン」(親方)へと階級が UP していくそうです。
フリーメイソン豆知識
フリーメイソンの人数は ?
140 万人だの 300 万人だの 600 万人だの諸説あってイマイチはっきりせず。
とりあえず日本グランドロッジ傘下の会員は 2000 人程度で、そのうち日本人が 300 人程度ってのは確かなようです。
シンボルマークのGの意味は ?
God(神)
Geometry(幾何学)
Glory(栄光)
Grandeur(寛容)
Gold(黄金)
Gnosis(知識)
秘密の握手
会員だけしか知らないとされた “秘密の握手” も、もはや完全な秘密ではなくなったようで、今では会員証の提示を求めるなど、別の方法を用いて会員確認することが多いそうです。
会員であることを口外できる ?
自分自身については可能だそうですが、他人がメイソンであることは存命中は口外禁止だそうです。
タブーな活動や話題は ?
ロッジ内などメイソンの集まりでの政治活動や宗教活動、またそれらに関する話題を持ち込むことは禁じられているそうです。
ナチスドイツとの関係
ナチスドイツにユダヤ教の関連団体とみなされたフリーメイソンリーは迫害の対象となり、強制収容所に送られたメイソンは逆三角形の赤いバッジをつけられ、その多くが還らぬ人となったそうです。
自由の女神とフリーメイソンリー
誰もが知るアメリカの象徴「自由の女神」像はフランスのメイソンリーからアメリカのメイソンリーに贈られたもので、台座にはシンボルマークが記されているそうです。
日本人初のフリーメーソンは ?
思想家であり、貴族院議員でもあった「西周(にしあまね)」と「津田真道(つだまみち)」が留学先のオランダで 1864 年に入会したのが初とされています。
高須クリニック院長の所属ロッジは ?
京都の御門ロッジで、最高位のマスターに就いています。
【参考動画】
〖①フリーメイソン「東京グランドロッジ」ついにその扉が開かれる!〗
〖②映像公開!「秘密結社・フリーメイソン」東京グランドロッジ内部〗
〖③「フリーメイソンの真の目的」続・東京グランドロッジ内部映像!〗
最後に
「人脈づくりを期待したり、秘密結社という想像を膨らませたりして入会したものの、期待外れでやめていく人が多い」
とは、2008 年に行われた朝日新聞の取材に対する某関係者の弁。
また、アメリカでは「誰がエプロンにアイロンをかけるか」といった長時間に及ぶくだらん会議に、出席した新人会員の多くは再び姿を見せることはなかった、なども。
やっぱどう考えても世界征服の陰謀などとは無関係のような…
難関をパスできた会員の特権は、やはりその真の姿を肌身で直接知り得ることでしょう。
興味のある方は一度ご挑戦されてみてはいかがでしょうか ?
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