実在せぬ「疑存島(幻島)」について

海にまつわる怖い話しとして「幽霊船」などはよく知られていますが、地図に載っているにもかかわらず、どこを探しても発見できない「幽霊島」というべきものもある意味そのひとつではないでしょうか。
よくある「地図にない島」の逆バージョンだと言えましょう。

「こんな島ホントにあんの ?」
と、その存在が大きく疑問視されている島を “疑存島” や “幻島(まぼろしとう)” などといい、衛星システムなどの近代科学が発達する以前には世界各地に数多く存在していました。
日本近海の 2 つの有名な「疑存島(幻島)」


日本近海にも古くからそうした島がいくつもあったようで、その代表的なものが小笠原諸島に属するとされた「グランパス島」【地図1】と、「ガンジス島(中ノ鳥島)」【地図2】、 の 2 島かと思われます。
一攫千金を夢見て、数多くの探検家が必死に探したものの最後まで発見されなかった「グランパス島」…
存在しないにもかかわらず、なぜか日本の “領土” とまで認定された「中ノ鳥島(ガンジス島)」…
両者はまったく別モノの疑存島ですが、“日本最東端” というワードでは微妙な接点もあります。
そもそもが存在しない島ですし、地図や資料などの情報もマチマチで、正確な位置を掴むなどは極めて困難だったにちがいありません。
にもかかわらず、ある日本人によって中ノ鳥島(ガンジス島)の細かな “発見” 報告がなされたことにより、 中ノ鳥島(ガンジス島)に限ってはその位置がほぼ特定されました。
「存在しない島を発見 ?? どゆこと ??」
と、頭が混乱するかもしれませんが、それについてはまた後ほど。
グランパス島 と ガンジス島(中ノ鳥島)の近代地図における想定位置


地図を見ただけでウッ、となる方もいらっしゃるでしょうが、ザックリ言いますと、「グランパス島」の想定位置は【地図1】の 紫〇 付近、「ガンジス島(中ノ鳥島)」の想定位置は【地図2】の 赤〇 付近になるかと思われます。
このエリアを簡単に説明しますと…
本州の伊豆半島のすぐ沖から遥か南方にいたるまで大小の島々がズラズラッと並んでいるんですが、大きく 2 つに分けて、日本列島に近い方が「伊豆諸島」(【地図1】の島々)、遠い方が「小笠原諸島」(【地図2】の黒字の島々)、になります。
大半の島が海底のプレート運動に沿って形成された島で、ほぼ一直線に列をなしていますが、遠く離れた「沖の鳥島」(日本最南端)や「南鳥島」(日本最東端)もムリヤリっぽく「小笠原諸島」の仲間に組み込まれています。
「グランパス島」の想定位置は “南鳥島の近辺” だということなので 紫〇 内って感じでしょう。
「中ノ鳥島(ガンジス島)」の想定位置は、緯度(横ライン)が「鳥島」(黄〇 内)とほぼ同じ、経度(縦ライン)が「南鳥島」(紫〇 内)とほぼ同じ、ということなのでだいたい 赤〇 近辺になるかと思われ、見るからに絶海の孤島です。
「鳥島」に「沖の鳥島」に「南鳥島」に「中ノ鳥島」…
“鳥” 攻撃にイライラさせられますが、これは南洋の探検ブームに火をつけた “アホウドリ” にちなんで単純に命名されたからでしょう。
名付け親もアホウなのかもしれません。

存在せぬ「ガンジス島(中ノ鳥島)」の “発見” 云々は大いに気になりますが、やはりわが国の広大な排他的経済水域を考えるにあたっては、真っ先に「グランパス島」をご紹介すべきでしょう。
とりあえず「ガンジス島(中ノ鳥島)」については別記事にて UP しておきます。
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「グランパス島」 とは

「グランパス島」とはザックリ言えば、現在の日本最東端「南鳥島」の近辺に存在するとされてきた “広大で豊かな島” とされた疑存島です。
明治時代を中心に、多数の探検家がこの島を求めて大海原に繰り出したものの、結局誰も発見することはできませんでした。

しかしながら、「グランパス島」の発見を目的としていたある一人の探検家、水谷新六(写真)が、その過程において偶然小さな島へと辿り着きます。
“発見” 自体はそれ以前になされていた島で、アメリカ人宣教師によってすでに “マーカス島” と命名され、居住者も存在していました。
とはいえ、明確に主権を主張している国はなく、水谷がアホウドリ事業を開始したことによって “日本国民” による実質的な島の占有がなされました。
※ 写真:Wikipediaより
日本政府は水谷の発見届けを受理するとともに、“自国民による占有” と “日本が支配する旨” を諸外国に通告し、「無主地先占の法理」によって手早く日本の領土に組み込んだのです。
「南鳥島」と名付けられたその島は、“日本最東端の島” として今日に至るまで存在することとなりました。(下写真)



「南鳥島」は、戦後 GHQ の統治により「マーカス島」の名でアメリカの支配下に置かれた時期もありましたが、1968 年に返還され再び日本固有の島へと復帰しました。
偶然の副産物とはいえ、最東端の小さな島が今では日本の排他的経済水域を大きく膨らませてくれています。
「水谷新六さん、アッパレ !」
〖余談〗 “水谷新六” 武勇伝

ある航海の際に船が難破し、他の船員達と命からがら近くの島へと逃げ延びた水谷氏でしたが、救助を求めるためたった 4 人を乗せた小さな舟(本船からの脱出で使用された舟)で再び大海原へと繰り出しました。
40 日間漂流したあげく、瀕死の状態でかろうじて助けられたそうですが、その途中あまりの空腹に我慢できず木綿製の衣服まで食べたそうです。
万一の食料難に備え、木綿の服は捨てずに置いておきましょう。
〖余談〗 “アホウドリ” 豆知識

“アホウドリ” は渡り鳥で、かつては秋から冬にかけておびただしい数のアホウドリが、産卵のため日本南方の島々に飛来していました。
ところが、その名のとおり動きが愚鈍で誰にでも簡単に捕獲でき、乱獲に次ぐ乱獲で一気に激減することとなります。
1951 年の調査では 30 ~ 40 羽しか確認されないなど一時は危機的な状況 に陥りましたが、「特別天然記念物」への指定やその他法律による手厚い保護などもあって個体数は年々増加しつつあるようです。

“アホウドリブーム” の火付け役となったのが、伊豆諸島の「鳥島」において大量捕獲を真っ先に行った 玉置半右衛門 なる人物です。
元は小笠原の開拓団に随行する大工の責任者にすぎなかった玉置氏ですが、「鳥島」にアホほど群がるアホウドリに目をつけ、捕殺事業を開始しました。
1888 年(明治 21 年)には政府からの正式な許可も受け、僅かの期間に巨万の富を築き上げた「神」的存在として崇められた人物です。
※ 写真:Wikipedia より
【参考動画】および【オススメ書籍】
【参考動画】
〖まだ知らない日本の魅力 南鳥島〗
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〖地図から消えた島々〗
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