【はじめに】
春の味覚としてお好きな方も多いであろう【ホタルイカ】。
今や日本国中どこにいてもほぼ口にすることができ、日本酒のアテとしても最高です。
が、2023 年、日本で最も有名な産地「富山湾」においては解禁日の 3 月 1 日 以降未曽有の不漁に見舞われているそうな。
その少なさはハンパなく、解禁日から 1 週間の漁獲量は例年の 1/1000 以下で、例えば 3 月 7 日などはたったの 7 匹だったとか。
【ホタルイカ】の群遊が放つ幻想的な “イルミネーション” がウリの観光船もこれじゃ商売あがったりでしょう。
個人的には【ホタルイカ】など食べるばっかでその生態には何ら興味はありませんでしたが、このニュースを知ってちょいと気になる存在に。
なんでも江戸時代に入るより以前、1500 年代の後半頃には現富山県滑川(なめりかわ)市で早くも漁獲されていたという記録が残されているらしく、人間様とのお付き合いもかなり長かろう【ホタルイカ】ですが、“何のために発光するのか” や “発光の詳しいしくみ” など、その生態については未だ謎が多く全容解明には至ってないそうです。
てなわけで今回は、“富山湾の神秘” などとも称される【ホタルイカ】の 生態実態、その他アレコレについてをちょいとばかし探ってみました。
末尾には下ごしらえの仕方やレシピの動画なども貼り付けておりますので、調理未経験の方は一度ご挑戦されてみるなどはいかがでしょうか ?
ちなみに前述の “不漁” はあくまで “富山産” に限っての話であり、【ホタルイカ】そのものが獲れなくなっているわけではないのでスーパーから姿を消すなどは現状ありえないはず。
破格値なのをいいことに、他県産の【ホタルイカ】を一流ブランド「富山産」と偽る悪徳業者が出てこないことを祈るばかりなり。
以下動画は 2023 年、富山県滑川(なめりかわ)漁港における解禁日についてのニュースです。
皮肉にも【ホタルイカ】漁に出た船が【ホタルイカ】以外のイカで一杯になったとか…
【参考動画】
〖「ホタルイカ漁」解禁! でも網を引き上げると大漁の…〗 ANN news CH
【ホタルイカ】ってどんなイカ ?
古くより地元富山で「マツイカ」と呼ばれていたものを【ホタルイカ】と命名したのは明治時代の生物学者《渡瀬 庄三郎》なる人物。
なんでも、元は昆虫の「蛍」を研究されていた方だそうですが、その過程でたまたま富山に “光を放つイカ” がいることを知り、その不思議な生態に魅了され、浮気に走ったのがそのきっかけだそうです。
【ホタルイカ】はオスよりもメスの方が 2㎝ ほど胴体が長く、5℃ 以下の冷たい海、かつ、200㍍ を超す深い海に生息していて、その寿命は約 1 年。
【ホタルイカ】=「富山産」=「漁獲量 №1」といったイメージをお持ちの方は多いかもしれませんが、実は「富山湾」よりも遥かに多い漁獲量を誇る日本一は、兵庫県の日本海沿岸、「浜坂漁港」で水揚げされたもの。(2023 年時点)
にもかかわらず「富山産」が有名なのは、歴史の深さに加え、新鮮さ・旨さ が約束される富山湾ならではの “漁法” や、その群れが真っ暗な海面で織りなす美しい “イルミネーション” など、他の産地とは一線を画すものがあるからに他なりません。
ちなみに、兵庫県で【ホタルイカ】漁が開始されたのは昭和 60 年頃だとされており、歴史的に見ればまだまだ新参者です。
【ホタルイカ】は栄養価も高いとされていますが、それについて細かく記す気はございませんので気になる方は以下サイトでどうぞ。
〖日本食品標準成分表 2020 年版 [ほたるいか・ゆで]〗
【ホタルイカ】の “美しいイルミネーション”・“爆湧き”・“身投げ” が見られるのは世界中で富山湾だけ⁉
時には “爆湧き” などとも騒がれますが、数万匹、数十万匹の【ホタルイカ】が海岸近くの浅瀬までやってきて産卵するのは、世界広しといえど日本の富山湾だけに見られる現象だとされ、当然 “美しいイルミネーション” が拝めるのもここだけのもの。
その希少性から富山湾の “ある一定エリア” についてのみ 【ホタルイカ群遊海面】の名称で「特別天然記念物」として定められ保護されています。(2023 年現在)
というか、【ホタルイカ】そのものを「特別天然記念物」にしてしまうと “漁” も “食” もすべて御法度となるため、苦肉の策として “海面” を指定するなどという異色の結論に達したようです。
上記特徴が、富山湾の【ホタルイカ】にだけ見られるそのワケは、富山湾独特の地形や一気に深くなる海底構造、また、浅瀬に向かう流れに乗って豊富なエサを追い求めてくるなど、沿岸に寄り付きやすい好条件が揃っているためと考えられているようです。
また、月のない真っ暗な早朝に、発光したまま砂浜に打ち上げられそのまま死に絶える、なんてのも名物?だそうで、この現象を「ホタルイカの身投げ」と言うんだそうです。(写真参照)
【参考動画】
〖[富山]ホタルイカの身投げ 〗
鮮度抜群 ! うまい理由はここにあり! 富山湾ならではの特殊な漁法「定置網漁」
【ホタルイカ】に限らず、ブリ・スルメイカ・アジ・イワシ など富山県沿岸で行われている漁業の 70% 以上が「定置網(ていちあみ)」と呼ばれる富山湾発祥の仕掛けによって行われており、富山県産の【ホタルイカ】が他県産のものに比べ新鮮で旨いのはこの “漁法の違い” によるところが最も大きな理由とされています。
兵庫県産など他県産のものは主に「底引き網(そこびきあみ)」を用いた漁法で獲られており、その違いを「金魚すくい」で例えるとするならば、“じっと待ち伏せして真上にきた金魚をそっとすくい上げる” ってのが「定置網漁」で、“逃げ回る金魚をしつこく追い回して強引にすくい上げる” ってのが「底引き網漁」って感じではないでしょうか。
その後どちらの金魚のほうが元気で生き生きしているかって話です。
しつこく追い回された金魚は、疲れ果て、傷つき、すくい取れたとしてもそれがもとですぐに死んでしまうかもしれません。
鮮度や味の違いはまさにコレです。
2 種類の漁法を具体的に画で見れば以下の通り。
深い海の底でズルズルと引きずり回され、激しい水圧を受けながら数百メートルもの長い距離を勢いよく巻き上げられた【ホタルイカ】がどういう状態で市場に出回るかはもはや想像に難くないはず。
【参考動画】
〖富山市水橋沖 ホタルイカ定置網漁 2014.4〗
〖おいしい日本の伝統漁法~富山湾・ホタルイカ~定置網〗
【ホタルイカ】ってどこが光る ? なぜ光る ?
まだまだ全容未解明な “【ホタルイカ】の光” ですが、とりあえず発光器官の場所は以下の 3 か所。
❶ 一対の腕(第四腕)の先端
❷ 目の周り
❸ ボディの下側
“【ホタルイカ】の光” は明るいながらも熱をまったくもたない「冷光」と言われるもので、❶ には 3 コずつ計 6 コ、❷ には 5 コずつ計 10 コ、❸ には 700 ~ 1000 コ程度 の発光器官が確認されています。
よく、タコの足は 8 本、イカの足は 10 本、などと言われたりしますが、イカもタコと同じく “足” は 8 本で、紛らわしい残りの 2 本は獲物を捕らえる際などに使う「触腕(しょくわん)」と呼ばれる “腕” なのです。
さらに言えば、タコもイカも “足” とされているものは、「第○腕」などと名付けられていることからも正式にはその全てが “腕” とも言えるのです。
さらにさらに言えば、雄はそのうちの 1 本が生殖器でもあり、“お役目” の際はちぎれて再びまた生えてくるとされています。
ちぎれてそのまま死に絶える “ミツバチの雄” よりかはまだ恵まれてますが…
“イカの体” の基本構造をさらに詳しくお知りになりたい方は以下サイトにてどうぞ。
〖 青森県水産総合研究センター HP 「イカの体」〗
光る目的は ?
写真でも煌々と輝いていますが、ちょっと触れられたり驚いたりしただけで即 ビカッ ! と反応するのが “腕” の先端にある発光器官。
最も明るく最も敏感なその特徴から、これは突発的な危険から身を守るために敵を威嚇したり驚かせたりするものであろうと言われており、状況によっては目立つ光をあえて見せることによって敵を誘い出し、際どいタイミングで “パッと消してサッと逃げる” といった頭脳プレー的な使われ方もされていると考えられています。
で、さらに “スゴイ” のはボディ下側にワンサカある発光器官。
下側(海底側)に集中しているその理由は、“下から上を見上げた敵に見つかりにくくするため” とされていますが、何がスゴイのかというと、“海面上から降り注ぐ陽光の強弱などにあわせて発光の強弱や色などもそのつど変えている” ようだってこと。
つまり、発光が強すぎれば明るすぎて目立ち、逆に弱すぎればシルエットが浮かび上がって目立つため、そうならぬよう状況を見定めながら巧みにコントラストの調整をなさっているようなのです。
いやはや、「タコ」のカモフラージュは有名ですが、【ホタルイカ】もなかなかに優秀ではないですか。
ちなみに目の周囲の発光器官については、役割等その全てが未だ謎に包まれているようですが、【ホタルイカ】の目は 青・水色・緑 の 3 種類が識別でき、光の色や強弱をコントロールしながら仲間と会話のようなことをしているなどとも考えられているため、そのあたりと何かしら関係があるのかもしれません。
「富山湾」はなぜ魚が豊富 ?
Wikipedia より
「富山湾の王様」=【ブリ】・「富山湾の神秘」=【ホタルイカ】・「富山湾の宝石」=【白エビ】、の 3 種(上写真)は “富山県の魚” として全国的にも有名ですが、それ以外にも多種多様な魚が生息していることから富山湾は「天然の生簀(いけす)」などとも呼ばれています。
その秘密は、ポケットのような湾の形状・すぐに落ち込む平均 800㍍ もの水深・多くの谷が存在する海底地形、などなど恵まれた自然条件が重なっていることにあり、見られる魚はなんと約 500 種類にも及ぶとされています。
日本海には日本列島に沿って南から北に流れる暖かな海流「対馬海流」が流れていますが、その一部が富山湾にも流れ込んでくることによって暖水系の魚が多く入り込んできます。
一方、富山湾の深い底の方には対馬海流の影響を受けない 2℃ 以下の冷たい水(「日本海固有水」といわれる栄養豊富な深層水)がドンと居座っており、そこには冷水系の魚が豊富に棲みついています。
つまり、富山湾は冷水の上に暖水が乗っかっているという、いわば “2階建て構造” になっており、あらゆるタイプの魚にとって居心地のいい環境が備わっているのです。
なので、現状スタートダッシュにもたついている富山湾の【ホタルイカ】も “大漁” で賑わう日がすぐ訪れるにちがいありません。
そして、どうせ食べるなら本場 富山県「滑川市」の提供する【ホタルイカ】をチョイスし、味わってみたいものです。
【ふるさと納税】本場 富山県産ホタルイカを格安 GET !
やはりこのテのものを超格安で手に入れるには、「ふるさと納税」を利用するのが最も賢い方法ではないでしょうか。
てなわけで、富山県の中でも本場「滑川市」より提供されている “【ホタルイカ】がらみの返礼品” を下にズラリと掲載しておきました。
【楽天】の会員の方なら画像クリックでダイレクトにご注文(寄付)可能ですのでよろしければご活用下さい。
なお、「ふるさと納税」のシステムについてあまりご存知ない方は、以下サイトがご便利です。
簡単に言えば “自身の上限(シミュレーターで即算出されます)以内であれば、どれだけ注文(寄付)しても実質 2000 円の出費で済ますことが可能” な政府お墨付きのオイシイ制度です。
【ふるさと納税 ホタルイカ(富山県滑川市)】の ご検討・ご購入に
個別に見る(【楽天ふるさと納税】より一例 / 画像クリック)
【おまけ動画】 ホタルイカの下ごしらえ&各種レシピ
〖【酒の肴】ホタルイカのバター醤油炒めの作り方 簡単レシピ 〗
〖【板前が教える】ホタルイカの下ごしらえ・冷凍方法と食べ方 〗
〖【ホタルイカのレシピ】 炊飯器で簡単♪ ほたるいかご飯〗
〖【ほたるいかのオリーブオイル揚げ】のレシピ!〗
〖ホタルイカ レシピ【蛍いかをさっと煮るだけ簡単うま煮の作り方】Japanese food👉#和食レシピ日本料理案内所〗
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