【はじめに】
日本 №2を誇る大都市、大阪。
その「大阪」駅から電車で 30 ~ 40 分程度の距離にある駅といえば、そのほとんどでは付近に家々が多く建ち並び、乗降客も朝から晩までまず途絶えることはありません。
が、そうした駅々に混じって、“一部川の上・一部トンネル内” といった、それらとはかけ離れた別世界のような秘境駅(無人駅)が一つだけポツンと存在しているのを皆さんはご存じでしょうか?
1986 年に開通した “新福知山線” にて新たに誕生(移転)した駅で、“廃線マニア” の方にはもはや言わずもがな、JR「武田尾(たけだお)」駅がそれです。
駅の足元には、歴史ある秘湯「武田尾温泉」も従えていますが、極めてマイナーな温泉地のため、温泉好きの方であっても知らない方のほうが多いかもしれません。
旧国鉄福知山線の複線電化の延伸、&山々をトンネルで突っ切る新線の誕生で、今ではアッちゅう間に行けるようになった「武田尾」駅ですが、1986 年以前は険しい武庫川渓谷に沿う形で、右に、左に、と時間をかけてしか辿り着けないような秘境中の秘境の駅でした。(下に写真・動画あり)
自身も幼少時、亡き祖母の丹波篠山里帰りの際に連れられて何度もそこを通りましたが、反対列車などものんびり待ちつつ、ゆっくりとしか進めぬ列車の窓からの素晴らしい渓谷美は、いまだまぶたの裏に焼き付いて離れません。
その廃線跡地は、新線への切り替え以降は 旧国鉄・JR によって 30 年もの長きに渡りずっと立ち入り禁止とされてきましたが、鉄道ファンからの “活用” の要望も強く、また無断でハイキングをするような人も後を絶たない(すぐ下に【参考動画】あり)ことから、JR は必要最低限の安全整備を施した後、2016 年以降は “自己責任” の条件のもと、ハイキングコースとして一般開放するに至りました。
今では西宮市や宝塚市など自治体の HP などでも “廃線敷ハイキングマップ” が作成され、閲覧やダウンロードまでもが可能となっています。
ハイキングコースは、春には桜、秋には紅葉、と、季節によっては普段以上に目を楽しませてくれ、また、遥か昔に造られた夏でも肌寒い真っ暗なトンネルはスリル満点で、女性や子供もみな懐中電灯を手に大はしゃぎ!
常日頃、彼女・奥様・お子様 等に冷ややかな眼差しを向けられている “鉄道ファン” や “廃線ファン” の諸氏も、良い季節&良い天気の時にうまく連れ出せば、それとなくそっちの世界に引き込めるかもしれませんね。(笑)
締めくくりに、“昼食・温泉・休憩(あるいは宿泊)“ などをセットにした豪華フルコースを用意しておけば、興奮冷めやらぬ彼女や奥様はさらなる大興奮まちがいなし!…カモ?⇩
武田尾温泉 紅葉館別庭 あざれ HP より
てなわけで今回は、自身も気分転換によく訪れる兵庫県西宮市と宝塚市との境い目、「武田尾」なる秘境の地を、旧国鉄福知山線の「廃線跡ハイキングコース」や、豊臣落ち武者伝説の残る秘湯「武田尾温泉」とも併せ詳しくご紹介。
貼り付けた動画のひとつにはゾッとするワンシーンも…
【参考動画 / 整備以前のハイキング風景】
〖JR旧福知山線廃線跡ハイキング2013年1時間に編集生瀬駅から武田尾駅に〗
- “旧国鉄福知山線廃線跡(敷)ハイキング” と “豊臣落ち武者伝説の秘湯” を求めいざ「武田尾」へ!
- 「武田尾(JR 武田尾駅・武田尾温泉)」の場所ってそもそもどこ?
- 武田尾駅の “昔” と “今” (※ 画像は全てすぐ下の動画より抜粋)
- 絶景&スリル満点! 旧福知山線 “廃線跡(敷)ハイキングコース” への最寄各駅からの行き方
- ハイキングとのセットに最適! 豊臣落ち武者伝説の秘湯「武田尾温泉」
- 【「武田尾(JR 武田尾駅・武田尾温泉)」への 車・バイク 等一般道でのアクセス】 ※1➔2& 道路前方動画
- JR「大阪」駅&近郊駅から JR「武田尾」までの電車料金や行き方は?
- “路線バス” もあるにはあるが…
- 「武田尾」が舞台の有名な小説 /《水上 勉》著【櫻守】
- 【その他おすすめ書籍】
- 【懐かしの映像ギャラリー】(旧 国鉄福知山線)
- オススメ記事
“旧国鉄福知山線廃線跡(敷)ハイキング” と “豊臣落ち武者伝説の秘湯” を求めいざ「武田尾」へ!
❶ 旧国鉄 福知山線
❷ 廃線跡 ハイキングコース
❸ 武田尾温泉
「武田尾」をご紹介するにあたっては…
❶ 旧国鉄福知山線時代(1986 年=昭和 61 年以前)の「武田尾」
❷ 廃線跡ハイキングコース+その終点(起点)としての「武田尾」
❸ 温泉地としての「武田尾」
…をワンセットにすべきだと考え、てなわけで以下、画像や動画などもふんだんに使いつつ、❶ ❷ ❸ の3点につき分かりやすくご紹介させて頂きたいと思います。
「武田尾(JR 武田尾駅・武田尾温泉)」の場所ってそもそもどこ?
「武田尾」の場所は上の3つのマップでザックリとはお分かり頂けるかと思います。
地図からも何となく察しが付くとは思いますが、大阪・宝塚方面からなら JR を使えばショートカットでサクッと行けますが、車やバイクなど他の交通手段を使うとなれば、一般道で右方向より大きく迂回せねば辿り着くことができません。
で、それら一般道や電車での詳しい行き方については、別途下の方にて画像や動画とあわせ分かりやすくご説明しておりますので、是非そちらをご覧下さい。
なお、上 MAP をさらに拡大縮小するなど、オリジナル版をご覧になりたい方は以下ボタンより可能です。
武田尾駅の “昔” と “今” (※ 画像は全てすぐ下の動画より抜粋)
上写真は 1986 年(昭和 61 年)の旧国鉄福知山線の廃止(旧武田尾駅の廃駅)直前のものだそうで、自身の幼少時の記憶もまさにこの光景。
で、この駅の駅舎と横の線路がその後どうなったかというと…
画像で見比べる “旧武田尾駅” の駅舎&線路とその後
遠景画像で見比べる “新旧武田尾駅”
動画に見る “新旧福知山線” & “新旧武田尾駅”
〖地上を走っていた頃の国鉄武田尾駅と現在の風景(昭和 61 年 7 月 18 日撮影)〗
絶景&スリル満点! 旧福知山線 “廃線跡(敷)ハイキングコース” への最寄各駅からの行き方
「廃線跡ハイキングコース」の両端の最寄り駅は、JRの「生瀬(なまぜ)」・「西宮名塩(にしのみやなじお)」・「武田尾」の3駅ですが、通り抜けされる方の多くは「生瀬」駅・「西宮名塩」駅を起点として武庫川下流域から上流域(武田尾方面)へと向かわれるようです。
とりあえず、それら3駅からハイキングコース両出入口への詳しい道順・入り方は以下説明のごとし。
ハイキングコースの途中には 店・自販機・トイレ 等の人工的な設備は一切ないので、食べ物や飲み物などは事前に準備し、特に出入口付近のトイレは下マップにてしっかりチェックしておきましょう。
なお、JR「大阪」駅からこれら各駅までのアクセスについては、ずっと下の方にて記した、
〚JR「大阪」駅&近郊駅から JR「武田尾」までの電車料金や行き方は?〛
をご参考にされたし。
JR「生瀬」駅から “廃線跡(敷)ハイキングコース下流側入口” までの詳しい道順(MAP&写真)※ 徒歩約 15 分
道順(MAP&写真)
【道順参考動画】
【ショップ参考動画/生瀬駅前「DOT.CAFE(ドットカフェ)」】
JR「西宮名塩」駅から “廃線跡(敷)ハイキングコース下流側入口” までの概略図と詳しい道順(MAP&写真)※ 徒歩約 15 分
道順(MAP&写真)
【参考動画/別ルート】 ※ 国道沿いを通らぬ住宅地通過のおすすめルート
JR「武田尾」駅から “廃線跡(敷)ハイキングコース上流側入口” までの概略図と詳しい道順(MAP&写真)※ 徒歩約8分
道順(MAP&写真)
【道順参考動画】
ハイキング前後におすすめの武田尾「畑熊(はたくま)商店」&「ひなたぼっこ」
ハイキング前の腹ごしらえや、ハイキング後のホッと一息、などで大人気なのが、ハイキングコースの武田尾側出入口すぐ近くに店を構える「畑熊(はたくま)商店」とスィーツ専門店の「ひなたぼっこ」。
特に「畑熊(はたくま)商店」は、明治初期に酒店として開業した老舗だそうですが、今や喫茶・軽食・郷土料理から甘い物までなんでもござれの万能商店。
多人数での宴会も可能な広々としたテラスもありますが、行楽日和の土日などはすぐいっぱいになり、予約なしでは入れないことも多いとか。
「ひなたぼっこ」ともども、詳しくは、以下 HP やその下の動画をご覧あれ!
【参考動画/武田尾「畑熊商店」】
【参考動画/武田尾「ひなたぼっこ」】
ハイキングとのセットに最適! 豊臣落ち武者伝説の秘湯「武田尾温泉」
今でこそ “廃線跡ハイキング” で有名な「武田尾」ですが、それ以前は古くより続く湯治場、「武田尾温泉」が、この地の唯一とも言える “ウリ” でした。
1600 年代に豊臣家の落ち武者が発見したとされる、知る人ぞ知る秘湯ですが、2013 年の台風 18 号による水害の影響などもあって、近年大きく衰退。
長きに渡り、川を挟んで西宮市側に3軒、宝塚市側(駅側)に1軒あった温泉旅館も、今現在(2024 年末時点)では宿泊可能なものとしては宝塚市側の1軒のみしか残されていません。
つまりは、「武田尾温泉」に宿を取りたくば、もはや選択の余地なくココ一択ってことになります。
てことで、「武田尾温泉」唯一の旅館、【紅葉館 別庭 あざれ】の公式 HP と参考動画を以下に貼り付けておきます。
【紅葉館 別庭 あざれ】参考動画
〖参考動画1〗
〖参考動画2〗
“日帰り入浴” のみならココでもOK!
上でご紹介した「武田尾温泉」唯一の宿【紅葉館 別庭 あざれ】では、数々の日帰りプラン(食事のみ・入浴のみ・食事+入浴/入室可・入室不可)も用意されてますが、ただ単なる “入浴のみ” でしたら、旧温泉旅館の【元湯】でも可能です。
ただ、その道中で通過せざるを得ない某廃温泉旅館の前はかなり不気味な雰囲気なので女性1人ではあまりオススメできません。
てことで、こちらもご参考までに動画を貼り付けておきました。
が… 4分3秒後くらい… 無人の風呂場にて奇妙な映像が…
【参考&恐怖?動画】
なので、ご利用をご検討される際は、直接お電話されるなどで細かな点をご確認されることをおすすめいたします。
「武田尾温泉」に足湯はある?
JR「武田尾」駅から徒歩8分程度の場所に無料の「足湯」もあります。
が、すぐ上の旅館【紅葉館 別庭 あざれ】が管理所有するもので、いつでも利用できるというものではなく、営業時間は現状朝9時~夕方6時までとされています。
(※ 時間外にはお湯が抜かれているようです)
情報によれば、ぬるめ・トイレなし・自販機あり、とのこと。
「JR 武田尾駅~武田尾温泉(あざれ・足湯・元湯) MAP」
【「武田尾(JR 武田尾駅・武田尾温泉)」への 車・バイク 等一般道でのアクセス】 ※1➔2& 道路前方動画
車やバイク等、一般道でアプローチされたい方用に、宝塚方面から(国道 176 号線から)「武田尾」までの道路拡大マップと各分岐点の写真を下に貼っておきましたが、それにつき、分かりやすそうな動画も色々探し回ったところ、ちょうど…
《阪急& JR の宝塚駅前 ➔ 武田尾温泉 ➔ 新名神高速道路宝塚北サービスエリア ➔ 新名神高速道路川西インターチェンジ》
…の道路前方風景を早回しで撮った “バイク動画” を発見しましたので、【参考動画】としてそれもさらにその下に貼り付けておきました。
宝塚方面からのみでなく、頭の中で “逆再生” すれば川西インターからアプローチされたい方にも大いに参考になりましょう。
1.〚宝塚方面=国道 176 号線から兵庫県道 33 号線(塩瀬宝塚線)への道路拡大 MAP &分岐点写真〛
2.〚県道 33 号線(塩瀬宝塚線)以降「武田尾温泉」までの道路拡大 MAP &分岐点写真〛
【参考動画】 阪急& JR宝塚駅前 ➔ 武田尾温泉 ➔ 宝塚北 SA ➔ 川西 IC のバイク前方動画
〖【原2バイクで走る】宝塚駅(兵庫県)ー武田尾温泉ー宝塚北SAー川西IC〗
JR「大阪」駅&近郊駅から JR「武田尾」までの電車料金や行き方は?
本記事執筆時点においての大阪近郊駅から「武田尾」駅までの JR 片道料金は上画像 “上” のごとし。
片道数百円程度で秘境気分が味わえるのはお安い限りです。
で、上画像 “下” を見て頂ければ分かるように、「大阪」駅からだと路線そのものは1本で行けるのですが、快速系が3種類も走っており、「武田尾」駅に停車するのはそのうちの〔区間快速〕 のみ。
なので、〔快速〕・〔丹波路快速〕を使われるのであれば、一つ手前の「西宮名塩」駅で〔普通〕か〔区間快速〕に乗り換えなければいけません。
が、「西宮名塩」駅で待つ列車は、その4つ手前、「川西池田」駅にて追い越した列車がやって来るといったパターンがほとんどで、個人的にはいつも「川西池田」駅にて乗り換えるようにしています。
なお、以下は “発車時刻・到着時刻・所要時間・乗換え駅・乗換え列車” などを手早く調べることができる非常に便利なサイトです。
よろしければご活用下さい。
【参考動画 / JR 大阪駅 ~ JR 武田尾駅】
〖大都会から30分で行ける「秘境駅」がすごすぎる〗
“路線バス” もあるにはあるが…
前々より、JR「武田尾」駅のすぐ下に阪急バスの停留所があって路線バスが走っているのは知っていましたが、別段必要もなく、個人的には一度も乗ったことございません。
が、本記事執筆にあたり、詳しくご紹介しようと色々調べかけたのですが、聞いたこともない “行先名” と本数の少なさを見てアッサリその気は失せました。(画像参照)
おそらくこのバスは、ほぼ地元民のためだけの “アシ” で、本記事の読者様にはもはや細かな情報までは不要かと思われますので、以下に阪急バス HP 内の “武田尾停留所の時刻表” と “宝塚市北部の路線図” のリンク(PDF)のみ貼り付けておきます。
(※ 画像の時刻表は参考までに貼った記事執筆時のものですので、最新確実な情報は以下リンクよりご確認下さい)
「武田尾」が舞台の有名な小説 /《水上 勉》著【櫻守】
内容紹介&読者レビュー(Amazon より一部抜粋)
【内容紹介】
【読者レビュー】
・その爽やかな読後感に、さすがは水上勉氏と納得の一冊。
・武田尾へたびたび行きますがこの本に出合うまで桜をゆっくり観察することがなかったです。
・桜守のモデルの場所 武田尾 桜の園 亦楽山荘に行き、山桜を満喫してきました。
・関西弁でやわらかなタッチ、丹精な文章に心うたれました。出会えてよかったと思う1冊です。来年の桜の時期にまた読むつもりです。
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