【はじめに】
上のふくよかな女性たち…
素っ裸で一体何してんスかねぇ…
妊娠中のお姉さんなのか中高年のオバ様なのかも不明です。
古今東西ワケの分からぬ書物は数あれど、世界一有名なモノはやはりこの【ヴォイニッチ手稿】ではないでしょうか。
中世ヨーロッパのものと推測され、上の画像はその中の 1 コマです。
何かの暗号では、とも言われているこの手稿は 200 ページ以上からなり、使用されている文字も挿絵もまったく意味不明で未だ全容解明には至っていません。
有名とはいえ、「古代文明」 だの「オーパーツ」だのといった、いわゆるスピリチュアルな分野に興味のない人であればほぼご存じないのではないでしょうか。
てなわけで、今回は学者や研究者など多くの知識人を悩ませ続けている謎の書物、【ヴォイニッチ手稿】をご紹介。
「ヴォイニッチ手稿」とは
【ヴォイニッチ手稿】とは、古書収集家の《ウィルフリッド・ヴォイニッチ》氏(上写真参照)が 1912 年に購入した複数の書物の中のひとつで、そのほとんどが不可解な文字と意味不明な彩色画からなる “世界で最も謎の書物” と言われているものです。
2009 年、アリゾナ大学が原稿の様々な部分を “放射性炭素年代測定法” で調べた結果、使われている羊皮紙は 1404 年 ~ 1438 年 のものと判明し、また分析されたインクの成分からも同時期を示唆する結果となりましたが、これはあくまで “その羊皮紙やインクが製造流通していた時期” が特定されただけであって、“その期間内に当手稿が作成された” と断定できるものではありません。
ただ、全体の様式等から “イタリアのルネサンス期” (1600 年位まで)に作成された可能性は高いようです。
ページの一部は歴史のどこかで欠落したようですが、その内容は 人・植物・占星術(天文学 ?)などのセクションで構成されており、緻密な描画や規則性のみられる文章構造から、意味もなく単純に作られたものとは考えにくい、とされています。
時代背景から、内容がヤバくて宗教的迫害を免れるために “暗号化” されたのでは、といった説も。
以下は使用された可能性も指摘されている暗号作成ツールと参考記事。
16 世紀に存在した簡単な道具を使うとヴォイニッチ手稿と似た文書を作り出せることがわかった。
「カルダーノ・グリル」と呼ぶ一種の暗号作成器で、1 枚のカードにいくつかの穴が開いている。
桝目の中に文字や音節を書き込んだ表を作り、その表の上にカルダーノ・グリルをかぶせ、カードの穴を通して見えた部分をつなげて単語を合成していく。ヴォイニッチ手稿の単語や文章には奇妙な規則性があるが、カルダーノ・グリルを使うと同じ特徴を再現できる。また、できあがった文章は規則性がありながら、無意味な内容となる。
日経サイエンス 2004 年 10 月号
1945 年、第二次大戦時に数々の暗号解読を成し遂げた “暗号の天才” こと《ウィリアム・フリードマン》氏も【ヴォイニッチ手稿】の解読に挑戦しましたが、無念の玉砕となりました。
近年では、2017 年に “婦人の医学書” とする説、2019 年には “生活の参考書” とする説などが提唱され、さらには “意味のないアート” だと主張する者まで出てくる始末ですが、どれも決定打とはならず未だ仮説の域を出ていません。
その他、作者や歴史 などなど
【ヴォイニッチ手稿】実物 イエール大学図書館デジタルコレクション より
【ヴォイニッチ手稿】の作者が誰なのかは諸説あり、また、途中約 200 年の記録が抜け落ちていることから歴史の多くも謎に包まれています。
とりあえず残された資料から、最初の確実な所有者は 17 世紀前半の錬金術師《ゲオルク・バレシュ》という人物だったようです。
《バレシュ》氏の死後は人から人へと渡ったあげく、最後はイタリアにある某図書館の所蔵となり、そして1912年、《ウィルフリッド・ヴォイニッチ》氏がそこで発見・購入したことによって、世に広く知られる存在となりました。
《ヴォイニッチ》氏の死後は再び人から人へと渡り、1969 年、最後の所有者《ハンス・P・クラウス》氏から、米コネチカット州のイエール大学図書館へと寄贈され、現在ではインターネットにて誰もが自由に閲覧可能となっています。
全ページをじっくり閲覧してみたい方は以下からどうぞ。
解読できれば人生大きく変わりますよ。(笑)
〖イエール大学図書館デジタルコレクション 暗号文書 ヴォイニッチ手稿〗
コメント