【はじめに】
深夜、ぐっすりと眠っている女性(あるいは男性 ?)の部屋に忍び込み、有無を言わさずのしかかる…
「夜這い」といえばほとんどの方はこういったイメージをお持ちではないでしょうか ?
「夜這い」を題材にした AV などもおそらくはそういったシチュエーションが多いはず。
まあ同意あっての “プレイ” ならともかく、実際にそのようなことをすれば今の世の中「住居不法侵入」「強制性交」「準強制性交」などの罪で当然に裁かれます。
しかしながら、わが国では古くより大正時代に至るまで、山村や漁村など地域地域の “風習” としていたるところでこの「夜這い」がごく当たり前に行われてきました。
場所によっては戦後の高度経済成長期まで続いていたとか。
ただ上記のごとき “性犯罪” とはかなり意味合いが違ったようですが…
てなわけで、今回はこの「夜這い」なるものを事細かに記した民族学者、赤松啓介氏の著書【夜這いの民俗学・夜這いの性愛論】(以下画像)のご紹介と併せ、その実態・真実を分かりやすくご説明。
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「夜這い」とは
「夜這い」とは、性行為を目的として他人の寝ている場所を夜中にこっそり訪れることで、一般的には男性主体で行われていたものですが、地域等によってはその逆もあったようです。
その語源に関しては、男性が女性に求婚することを古くは “呼ばう” と言ったためそれを由来とする説、あるいは、真っ暗な “夜” に相手の寝床に向かって “這う” ことからそれを由来とする説、などがあって定かではありません。
とりあえず、奈良時代の「万葉集」にも登場する “歴史ある風習” ではあります。
その主目的が “性行為” なのはみな同じですが、細かなルールなどは集落等のコミュニティによって実に様々だったようで、画一的にどうこう言えるものではないようです。
例えば “村の女なら誰でも OK” とか “人妻は NG だが未亡人なら OK” とか。
時には実の娘が “母ちゃんの今夜の相手” を若衆にお願いしたり、また若衆同士でお互いの “母ちゃんの味” を品評し合う、なんていったことも…
「夜這い」は何歳でもオッケー?
どの村にも “いつから「夜這い」することができるか(されることができるか)”、といった年齢的最低ラインのようなものはあったようですが、概ね共通していそうなのは、男女とも思春期を迎えた頃合い(13 歳 ~ 15 歳)になると集落内の「若衆(男)」や「娘衆(女)」といったグループに組み込まれ、「夜這い」ができる、またはされる立場となったようです。
女性の場合は、年齢ではなく “初潮の到来” や “陰毛が生え揃った時期” をその判断基準とするなど、このあたりも地域により様々。
とりあえず “正式” な「夜這い」は多くの場合事前に約束が交わされた上でなされたようで、また夜這い先の両親にしても、それを歓迎するかのごとく “見て見ぬふり” をしていた、といったケースがほとんどだったらしく、性犯罪的な要素はほぼありませんでした。
頃合いを迎えた自分自身が、またはわが子がいつまで経っても童貞や処女のままでいるのは “恥” とされた風潮が日本の古き村社会には根強くあったようです。
今とはちがう昔の村のセックス観
細かな差異こそあれ、当時の村々がこぞって「夜這い」を奨励したその主たる理由は、まさに “子孫繁栄=村社会の維持・継続” に他なりません。
実際こうした風習のもとでは誰の子か分からない子も多数存在したようですが、“村全体の子” としての意味合いの方が強かったため、これといって大きな問題にはならなかったようです。
「夜這い」デビューのその前に…
晴れて「若衆」や「娘衆」入りを果たせても多くの場合 “すぐさま夜這い OK” とはいかなかったようで、その前に年長者(時には実の父母)から性のレッスンを受けるのがならわしだったようです。
以下は 高橋一郎 氏の教育社会学研究第 53 集【青少年のセクシュアリティと教育】(国立国会図書館デジタルコレクション掲載)より抜粋したもので、その点につき参考になりましょう。
さらにその下、【注釈】の「(9)」には 赤松啓介 著の【村落共同体と性的規範】の一部が掲載されていますが、ここだけ読めば紛れもなく “官能小説” ですね。(苦笑)
⇩【注釈】⇩
電子書籍もどうやら皆無。
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映画のご紹介
【ザ・夜這い】
おそらく何の参考にもならないでしょうが(苦笑)、【ザ・夜這い】なる古い映像作品もあります。
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