【はじめに】
英ロンドンの「切り裂きジャック」(1888 年)に、米サンフランシスコの「ゾディアック事件」(1968 ~ 1974 年)…
古今東西、世界各地に未解決事件は数あれど、これほどまでに諸説渦巻く謎に満ちたものはそうはないでしょう。
【ディアトロフ峠事件】です。
「切り裂きジャック」にせよ「ゾディアック事件」にせよ、残酷ながらもこれらはあくまで刃物なり拳銃なりを用いた通常の連続殺人事件であって、内容そのものは “犯人” が不明ってだけのごく単純なもの。
しかし【ディアトロフ峠事件】は、一応 “事件” とはされていますが、“雪山で男女 9 名が変死した” という事実以外そのほとんどが謎に包まれており、実際は事件か事故かすらもはっきりしていません。
雪崩、雪男、UFO、火球、超低周波音、仲間割れ、軍の陰謀、原住民による殺害、KGB による暗殺…
グラスノスチ(1986 年に旧ソ連が打ち出した情報公開政策)によって事件が明るみになって以降、各方面よりありとあらゆる仮説(今現在 70 以上)が出され、推理などもなされていますが、そのほとんどが確証や決め手となるものは一切なし。
果たしてその真相全容たるは一体何なのか。
てことで今回は、1959 年の 2 月、旧ソ連ウラル山脈の人里離れた地で 9 名の若い命が失われた世界一有名であろう雪山遭難怪死事件、【ディアトロフ峠事件】をご紹介致しましょう。
ちなみに、事件の再調査が現ロシアによって近年(2018 年~)行われ、“原因は雪崩” との最終結論が 2020 年に発表されたようですが、通常雪崩の発生しない緩やかな斜面であることや、発見されたテントの状況などからまずこれは考えにくく、この結末に納得している人は誰一人としていないはず。
…で、記事作成にあたり様々な動画を拝見している中、そのひとつ(全 10 作)に、よもや TV 局が製作したのかとも思わせるような超クオリティの高い検証動画を発見。⇩
『テレビの 2 時間スペシャルとかで流したら、めちゃくちゃ視聴率取れそう』
『あなたの知識・探求心・情報収集力・情報解析力には本当に敬服します』
『この動画だけ数倍、いや桁違いにクオリティ高い』
『凄い動画だ。こういうのが見たかった』
『ナレーションの女性の声最高!聴きやすくて心地よい!』etc
その結論が正解かどうかは別として、綿密な資料調査を元に、他の動画では見られぬかなり際どい部分までしっかりと検証・考察されていて、少しでもこの事件の真相に近付きたい方は絶対に必見。
てなわけで、【超オススメ動画】として ① ~ ⑩ の全作品を末尾に貼り付けておきましたので、おヒマな時にでも是非じっくりご覧あそばせ。(ぶっ通しで 2 時間半ほど)
※ 一部のみ “年齢制限” がかかっている関係で YouTube での直接視聴となります。
事件? 事故? 謎多き【ディアトロフ峠事件】の真相やいかに!
【ディアトロフ峠事件】の概要
事件が発生したのは 1959 年 2 月 2 日の夜。
場所は、ロシア連邦(当時はソ連)の西部を南北に貫くウラル山脈真っただ中の人里離れた某地点(上地図参照)で、最寄りの大きな都市はエカテリンブルグ(事件当時の名はスヴェルドロフスク)。
被害に遭ったのはエカテリンブルグにあるエリート校「ウラル工科大学」の学生とその卒業生を中心に編成されたスキートレッキングのメンバー 9 名(上写真)で、彼らはその最終目的地付近で消息を絶ち、のち捜索隊によって全員変死体となって発見されました。
現場の「ディアトロフ峠」は、事件以降そのリーダーの名を取ってそう呼ばれるようになったものです。
単なる “雪山での遭難死” なら世界中どこにでもある話ですが、この事件が世界的に有名になったのは、発見された テント・足跡・遺留品・遺体 など、あらゆる状況が簡単に説明のつくものではなかったからです。
遺体発見までの経緯
1959 年 1 月 23 日、エカテリンブルグを出発した一行は、列車・バス・トラック などを乗り継ぎながら約一週間かけてようやく目的地「オトルテン山」付近にまで到着。
当初メンバーの総勢は 10 名でしたが、内 1 名は体調の悪化から途中で引き返し、その結果命が救われました。
他のメンバーは全員死亡したことから、その後の出来事については発見された日記やカメラに残された写真などで推測するしかできませんが、途中までの経緯だけでもはっきりしているのはこの唯一の生存者のお陰です。
で、一行からの連絡が途絶えたのは、出発して二週間以上もが経過した 2 月 12 日。
本来は登山を終えたあと、リーダー《ディアトロフ》より彼所属のスポーツクラブ宛へこの日に電報が入るはずが、それがなかったのでした。
当時の雪山登山では決められた日時に連絡がないなどはよくあることだったらしく、最初は『予定でも変わったんだろう』とあまり深く考えられなかったようですが、やがて家族や大学などからの強い要請もあって、2 月も下旬に入りようやく本格的な捜索活動が開始されました。
捜索隊は一行の足取りを追いすぐさまテントを発見、次いでテントから 1.5㎞ 程度離れた森の中で 2 名の遺体を発見、さらにはテントへ引き返す途中に 3 名の遺体も発見し、リーダー《ディアトロフ》を含む計 5 名の遺体は早々に収容されました。
が、残る 4 遺体は一向に見つからず、発見されたのは 2 カ月以上もが経過した 5 月の上旬。
発見場所は最初に見つかった 2 遺体よりもさらに遠くの谷で、降り積もった雪に長らく覆われていた遺体が、雪解けによってようやく姿を現したのでした。
解明可能? 解明不可能? 頭脳を駆使して怪事件の真相を推理考察せよ!
現実的なものから非現実的なものまで 70 以上もの仮説が入り乱れている【ディアトロフ峠事件】ですが、それはとりもなおさず、不可解とされる事実があまりにも多すぎるからに他なりません。
そもそもからして、一行が目的地の「オトルテン山」ではなく、“死の山” などと呼ばれている「ホラート・シャフイル山」へ踏み入ったことに関しても、“道を間違えた” や “リーダーがルートを変更した” など複数の説が存在します。
で、“謎” とされている事案で有名なものを以下にいくつか列挙しましたが、納得し難い突飛な説も多い中、末尾でご紹介する動画ではその多くについて『なるほど』と思わされるだけの検証や考察が深くなされています。(正解かどうかは別として)
いっそ本記事内で動画内容をすべて暴露しようかとも考えたんですが、製作者様よりお叱りを受けてもアレなんで、あえてここはガマン。
詳しい内容をお知りになりたくば、動画の方を直接ご視聴下さい。
【ディアトロフ峠事件】の謎の数々
奇妙な光球
天体? UFO? ロケット?
遺品フィルムの最後に撮られていた謎の光と何か関係があるのか?
なぜか偽名を使った部外者が
《サーシャ》と称していたその名は偽名で、本名は《ゾロタリョフ》。
密かに「第二のカメラ」まで持っていたとされる彼は、何かを探るために送り込まれた KGB のスパイ?
内側より切り刻まれたテント
考えられるそのワケは?
深いテント周辺の足跡
状況から、しばらくその場に立っていたか、ゆっくりと雪を踏み締めながら歩いたであろうとのこと。
考えられるそのワケは?
テント近くになぜかブーツの足跡が
部外者がいたのならそれは一体何者?
この地に存在する唯一の先住民族「マンシ族」もブーツなどは履かないはずだが…
全員なぜか靴を履いてない
だが、テントを丁寧に切り裂き、さらに雪の上をゆっくり歩いたとするならば『靴を履く時間がなかった』とは言い難い。
時間があったにもかかわらず靴が履けなかったそのワケは?
遺体の一部はなぜか下着姿
多くの仮説では自分で脱いだとされている。
-30℃ ともなる極寒の中で自発的に服を脱いだであろうとされているそのワケは?
激しい遺体の損傷
どちらにせよ、何が(誰が)彼らをそんな目に?
1 つの遺体のみ眼球と舌がない
猟奇殺人? 動物に食われた? 宇宙人の実験? 原住民の儀式?
様々な憶測が飛び交っているがその真相は?
写真に写った怪しい人影
ピンボケで根拠とするにはあまりにもお粗末。
果たしてその正体は?
不可解な放射能の測定&検出
そして実際に検出された放射能。
通常の雪山遭難では行われない放射能検査が行われ、さらに放射能が検出されたそのワケは?
登った痕跡のある大きな木
高さ 5 メートル付近の枝が折れ、木の幹には人体の組織も付着していたため誰かが登ったのは明白。
焚き火用の小枝なら低い場所にもあるため登った目的は他にあり。
漆黒の闇の中で何か見えるものでもあったのか?
不可解な 2 つの懐中電灯
1 つはテント残骸の上部より、もう 1 つはテントと遺体発見現場の中間地点より発見。
前者は積雪との関係からメンバーが置いたものとは考えにくく、後者は漆黒の闇の中で唯一の懐中電灯を手放した理由が分からない。
考えられるその答えとは?
【ディアトロフ峠事件・基本編】 動画に見る事件の全体像
〖【ロシアの闇】雪山での遭難、ディアトロフ峠事件 | ミッシング~迷宮事件の謎~【ゾッとする】〗
※ 注:モザイクなしの遺体映像あり
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なお、現在(2023 年 6 月時点)VOD の「U-NEXT」においても配信されており、お得に読むことができます。
「カルマン渦」&「超低周波音」って何?
そもそも、風がビュービュー吹きすさぶ何もない雪山の斜面にテントを張ったこと自体も大きな謎とされています。
近くに森があることは分かっていたはずで、雪山に精通した彼らからすればそこに設営するのが常識。
これに関しても『リーダーがメンバーの力量を試した』だの何だのと様々な憶測が飛び交っています。
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